目次を開く

Governance ガバナンス

コーポレートガバナンス

「コーポレートガバナンス」についてご紹介している住友商事のサステナビリティページです。

コーポレートガバナンスの基本原則

原則

コーポレートガバナンスの基本原則

当社は、「住友の事業精神」と当社の「経営理念」が企業倫理のバックボーンであり、コーポレートガバナンスを支える基盤であると考えています。当社は、この考えのもと、コーポレートガバナンスの要諦は「経営の効率性の向上」と「経営の健全性の維持」およびこれらを達成するための「経営の透明性の確保」にあるとの認識に立ち、「住友商事コーポレートガバナンス原則」を策定しました。当社は、同原則に則り、より良いガバナンス体制の構築と事業活動の遂行に努めることが、当社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上、ならびに社会における企業としての使命を果たすことに資するものであり、株主を含めた全てのステークホルダーの利益にかなうものと認識し、コーポレートガバナンスのより一層の充実に向けて不断の改善に努めています。

住友商事コーポレートガバナンス原則

コーポレートガバナンス体制と特徴

体制

コーポレートガバナンス体制と特徴

当社では、監査役会設置会社制度のもと、独立性のある社外取締役および社外監査役の選任ならびに独立社外取締役を主要な構成員とする指名・報酬諮問委員会の設置などにより経営に対する実効的な監督・監視機能を確保することが、当社にとって最もふさわしい体制と考えています。現在、当社では、経験や専門性が異なる複数(2023年6月23日現在5人)の独立した社外取締役を選任し、より多様な視点から、取締役会の適切な意思決定と、監督機能の一層の強化を図っています。また、取締役会の諮問機関として、過半数が社外取締役で構成され、社外取締役が委員長を務める指名・報酬諮問委員会を設置し、経営陣幹部の指名・報酬に係る取締役会の機能の独立性・客観性・透明性を高めています。監査役体制については、外部の視点からの監視体制強化のため、監査役5人のうち3人が独立した社外監査役で、1人が法律家、1人が会計の専門家、1人が企業経営経験者と、多角的な視点からの監査体制となっています。さらに、監査役は、取締役会への出席に加え、すべての社内会議に出席でき、監査に欠くことのできない十分な情報を入手できるようになっています。これらにより、実効性が高く、充実したコーポレートガバナンス体制を構築できているものと考えています。

2021年度より開始した中期経営計画「SHIFT2023」の「経営基盤のSHIFT」においても、ガバナンスの強化を掲げており、取締役会の機能の一層の強化に向けて、取締役会による重要な経営方針・戦略 (経営資源の配分や事業ポートフォリオに関する戦略、サステナビリティ経営などの諸施策)の実効的な監督、およびそのさらなる客観性強化のための体制整備を通じて、執行に対するモニタリング機能のさらなる改善に取り組んでいきます。

住友商事のコーポレートガバナンス体制

コーポレートガバナンス報告書(PDF/877KB)

取締役および取締役会

「経営の効率性の向上」と「経営の健全性の維持」のための仕組み

取締役および取締役会

社外取締役の選任

取締役会は、十分な議論と迅速かつ合理的な意思決定を行うにあたり適切な人数で構成するとともに、経験、知識、専門性、性別などの多様性を確保しています。また、取締役11人のうち、経験や専門性が異なる社外取締役5人を選任し、多様な視点から、取締役会の適切な意思決定を図るとともに、監督機能の一層の強化を図っています。いずれの社外取締役も当社が上場する金融商品取引所が定める独立性に関する基準および当社が定める独立性に関する基準を満たしています。

氏名 社外取締役に選任している理由および期待される役割の概要など
岩田 喜美枝
2018年6月就任

<2022年度取締役会出席状況>
15/18回(83.3%)
長年にわたり労働省(現:厚生労働省)において要職を歴任し、退官後は民間企業の経営者や社外役員を務めるなど、企業経営やコーポレートガバナンス、企業の社会的責任、ダイバーシティなどに関する広範な知識と豊富な経験を有し、誠実な人格、高い識見と能力を兼ね備えていることから、当社取締役会が多様な視点から適切に意思決定を行い、また、監督機能の一層の強化を図るうえで、当社の社外取締役として適任であり、かつ、社外取締役としての職務を適切に遂行できるものと判断し、選任しています。岩田取締役には、これらの経験や知見を生かし、取締役会の適切な意思決定と経営の監督機能の強化の役割を果たしていただくとともに、指名・報酬諮問委員会の委員長として、取締役および監査役ならびに経営陣幹部の指名・報酬決定プロセスの独立性、客観性および透明性のより一層の向上に貢献していただくことを期待しています。
山﨑 恒
2018年6月就任

<2022年度取締役会出席状況>
18/18回(100%)
長年にわたる裁判官および弁護士としての経歴から法律に関する高度な専門知識と豊富な経験を有し、誠実な人格、高い識見と能力を兼ね備えていることから、当社取締役会が多様な視点から適切に意思決定を行い、また、監督機能の一層の強化を図るうえで、当社の社外取締役として適任であり、かつ、社外取締役としての職務を適切に遂行できるものと判断し、選任しています。山﨑取締役には、これらの経験や知見を生かし、取締役会の適切な意思決定と経営の監督機能の強化の役割を果たしていただくことを期待しています。
井手 明子
2020年6月就任

<2022年度取締役会出席状況>
18/18回(100%)
長年にわたり大手通信事業者において要職を歴任し、グループ会社の経営者や親会社(持株会社)の常勤監査役を務めるなど、情報・通信や企業経営、コーポレートガバナンスなどに関する広範な知識と豊富な経験を有し、誠実な人格、高い識見と能力を兼ね備えていることから、当社取締役会が多様な視点から適切に意思決定を行い、また、監督機能の一層の強化を図るうえで、当社の社外取締役として適任であり、かつ、社外取締役としての職務を適切に遂行できるものと判断し、選任しています。井手取締役には、これらの経験や知見を生かし、取締役会の適切な意思決定と経営の監督機能の強化の役割を果たしていただくとともに、指名・報酬諮問委員会の委員として、取締役および監査役ならびに経営陣幹部の指名・報酬決定プロセスの独立性、客観性および透明性のより一層の向上に貢献していただくことを期待しています。
御立 尚資
2022年6月就任

<2022年度取締役会出席状況>
14/14回(100%)
(2022年6月24日就任以降の状況)
長年にわたり米国大手経営コンサルティング会社において要職を歴任するなど、企業経営や統合型リスク管理などに関する広範な知識と豊富な経験を有し、誠実な人格、高い識見と能力を兼ね備えていることから、当社取締役会が多様な視点から適切に意思決定を行い、また、監督機能の一層の強化を図るうえで、当社の社外取締役として適任であり、かつ、社外取締役としての職務を適切に遂行できるものと判断し、選任しています。御立取締役には、これらの経験や知見を生かし、取締役会の適切な意思決定と経営の監督機能の強化の役割を果たしていただくとともに、指名・報酬諮問委員会の委員として、取締役および監査役ならびに経営陣幹部の指名・報酬決定プロセスの独立性、客観性および透明性のより一層の向上に貢献していただくことを期待しています。
高原 豪久
2023年6月就任
長年にわたり大手消費財メーカーにおいて、取締役、常務取締役、代表取締役 社長執行役員等の要職を歴任するなど、企業経営に関する広範な知識と豊富な経験を有し、誠実な人格、高い識見と能力を兼ね備えていることから、当社取締役会が多様な視点から適切に意思決定を行い、また、監督機能の一層の強化を図るうえで、当社の社外取締役として適任であり、かつ、社外取締役としての職務を適切に遂行できるものと判断し、選任しています。高原取締役には、これらの経験や知見を活かし、取締役会の適切な意思決定と経営の監督機能の強化の役割を果たしていただくことを期待しています。

社外役員の選任および独立性に関する基準(PDF/94KB)

取締役会での審議の充実と監督機能の強化

取締役会は以下のような取組で、その審議を充実させ、監督機能の強化を図っています。

  • 経営方針・経営計画などの経営全般に係る重要事項についてより集中して議論を行えるよう要付議事項を厳選するとともに、重点的に議論すべき年間の議題を取締役会メンバーで議論のうえ選定(アジェンダ・セッティング)しています。
  • 各事業部門の戦略の進捗状況および課題ならびにその対応方針に関する報告を受け、当該課題に焦点を当てて審議しています。また、主要な委員会の活動報告を受けることにより、会社全体の業務執行の状況について定期的にモニタリングしています。
  • 取締役会の場以外のオフサイト・ミーティングにおいても、経営方針・計画、ESG(環境・社会・ガバナンス)を含むさまざまな経営上の重要事項について自由闊達な議論を行っています。また、取締役会における議論に社外役員が積極的に貢献することを目的として、社外取締役・社外監査役で構成する社外役員会を毎月開催し、活発な討議が行われています。
  • 取締役会の開催の都度、社外取締役・監査役に対して、取締役会に付議する案件の内容を事前に説明しています。

取締役会長・社長執行役員の職務の分離および在任期間の制限

相互牽制(けんせい)の観点から、原則として、取締役会長および社長執行役員を置くこととし、これらの役位の兼務は行わないこととしています。取締役会長の役割は、経営の監督を行うことであり、日常の業務執行に関与せず、代表権もありません。

また、取締役会長および社長執行役員の在任期間は、原則としてそれぞれ6年までと定めています。これにより、経営トップが長期間交代しないことでガバナンス上の弊害が発生する可能性を排除しています。

取締役会評価の実施

取締役会の実効性の維持・向上のため、毎年、取締役および監査役による自己評価等の方法により、取締役会の実効性についての分析、評価を行い、その結果の概要を開示しています。
2022年度は、実効性評価の形骸化を防ぎ、取締役会の機能向上のためのPDCAサイクルを回していくという観点から、実効性評価の手法や項目について取締役会メンバーで議論のうえ、以下の見直しを行いました。

  1. アンケートで出された意見をもとに議論を深めるためには、回答者や当該意見の背景、問題意識を把握することが重要であり、かつ、現状において取締役会で忌憚のない意見交換が十分に行われていると判断し、アンケートを従来の「匿名式」から「記名式」に変更しました。
  2. その上で、今回より第三者を起用したインタビューに代えて、記名式アンケート結果を踏まえて課題とその改善策を取締役会メンバー全員で議論するプロセスを充実させる方針としました。
  3. アンケートにおいては、改善の進捗を定点観測するために基本的な質問項目を維持しつつも、主要な論点に更に絞り込んだうえで、各取締役・監査役が課題と考えていることを自由に記載する形式にしました。

上記に従い実施した2022年度の取締役会の実効性評価およびその結果の概要は、以下のとおりです。
実効性評価における取締役・監査役の意⾒や認識した課題を踏まえ、取締役会の実効性の更なる向上に取り組んでいきます。

  1. 評価の手法
    1. 対象者:取締役全員(11名)および監査役全員(5名)
    2. 実施方法:2022年12月にアンケート(記名式による回答)を実施しました。その結果を踏まえ、取締役・監査役で複数回議論し、結果の評価・分析を行うとともに、課題の特定と改善に向けた取組みについて議論しました。
    3. 評価項目:①取締役会の機能と役割、②取締役会の議題、③取締役会における議論の質・内容、④取締役会メンバーへのサポート・情報提供、⑤取締役会の構成、⑥取締役会の諮問委員会、⑦議長の役割発揮、⑧社内取締役の役割発揮、⑨社外取締役の役割発揮、⑩監査役への期待、⑪総合評価 など
    4. 第三者の補助:アンケートの設問選定などにおいて、第三者(外部コンサルタント)のアドバイス、補助を受けました。
  2. 評価結果の概要
    アンケートの結果を踏まえて取締役・監査役全員による議論を行い、当社取締役会は、不断の取組みによりその運営・機能発揮の水準は年々向上してきており、概ね実効的に機能していると評価しました。
    主に、次のような意見がありました。
    • 取締役会のアジェンダは計画的に議論し、適切に設定されている。特に中期経営計画に基づく戦略遂行状況のモニタリングについては、定期的かつ包括的にとりあげられ、議論に十分な時間がかけられている。今後は、地政学的事象など取り巻く諸環境の変化が当社経営にもたらす影響、およびそれを踏まえた中長期の経営戦略の議論により多くの時間をかけていくと良い。
    • 取締役・監査役への事前説明、経営会議における議論や事前説明における質疑の共有、社外役員会の開催などの取組みが充実したことにより、取締役会における本質的な議論が活性化している。各議題につき、建設的な質疑と十分な意見交換が行われ、取締役会の監督機能と意思決定機能の高度化に寄与している。
    • 社外取締役は、それぞれが有する専門的な知識や経験に基づいた示唆および助言を行っている。社外取締役による、社内役員・経営執行側では気づきにくい様々なステークホルダーの視点からの意見を通じ、取締役会による監督機能の発揮に貢献している。
    また、今回の取締役会実効性評価においては、「取締役会がどのような機能と役割を担うべきか」といった、取締役会の最も本質的な論点に立ち返った議論も行いました。本論点については今後も継続的に議論していく必要があるものの、本議論の結果を踏まえ、コーポレートガバナンスの更なる強化・充実のため、以下の事項を含む施策に取り組んでいきます。
    • 取締役会のマネジメント機能およびモニタリング機能を共に強化し企業価値向上につなげていく観点から、今後も適切な議題設定を行い、中長期的な経営方針に関する議論も深めていきます。
    • 取締役会と執行側との間のコミュニケーションをサポートする専任組織を新たに設置し、取締役会に付議すべき事項の見直しや、簡潔な付議資料の作成および論点整理などの取組みを更に推し進めることによって、取締役会での議論の質を向上させていきます。

指名・報酬諮問委員会の設置

取締役会の諮問機関として、過半数が社外取締役で構成され、委員長も社外取締役が務める「指名・報酬諮問委員会」を設置しています。指名・報酬諮問委員会は、必要に応じ開催され、①社長執行役員の選任・解任の方針・手続、②取締役会長の選定・解職の方針・手続、③取締役及び監査役の指名基準、④社長執行役員の選任・解任(社長の後継者指名を含む)、⑤取締役及び監査役候補者の指名(代表取締役・役付取締役の決定を含む)、⑥経営会議構成員の選任、⑦取締役及び執行役員の報酬・賞与の体系・水準、ならびに監査役の報酬枠、⑧顧問制度に関して審議し、その結果を取締役会に答申します。また、①~⑧以外で取締役会から委任を受けた事項を審議・決定し、取締役会に答申・報告します。2022年度においては、上記審議事項について指名・報酬諮問委員会を7回開催し、その結果を取締役会に答申しました。

指名・報酬諮問委員会の構成

全委員数 社内取締役 社外取締役 委員長(議長)
5人 2人(会長、社長) 3人 社外

当社取締役会が備えるべき知識・経験・能力等(以下、「スキル」)及び各取締役・監査役が有するスキル(2023年9月時点)

  1. 本表は、取締役会がその役割を発揮するために、取締役会が備えるべき知識・経験・能力等(以下、「スキル」)を特定し、それらのスキルをいずれの取締役・監査役が有するかを示したものです。取締役会全体としてこれらのスキルを備えることが重要と考えています。
  2. 当社は、事業投資を積極的に実施しており、この観点から「企業経営」及び「投資・M&A」のスキルが特に重要と考えています。また、中期経営計画「SHIFT 2023」の中で、DX及びサステナビリティ経営高度化の2つの大きな潮流をしっかりと捉えながら、事業ポートフォリオのシフトを取り組むこととしており、これを達成するため、デジ タル、テクノロジー×イノベーション(両者の掛け合わせ)を活用した事業変革や新規事業開発において「ICT・DX・テクノロジー」を、また、サステナビリティ経営の高度化において「ESG・サステナビリティ」に関するスキルを重要視しています。これに加えて、当社の事業経営を支え、あるいは管理するためのスキルである「財務・会計」、「法務・リスクマネジメント」及び「人事・人材開発」が重要であると考えています。
  3. 監査役については、取締役の職務執行を監査するため、これらスキルのうち「企業経営」、「財務・会計」及び「法務・リスクマネジメント」を特に重要視しています。
  4. なお、当社が世界各国で取引・事業投資を実行している観点から、各取締役・監査役はグローバルな視点での高い見識を求められます。また、取締役・監査役として「ガバナンス」の知見は欠くことができません。これら2つは、全ての取締役・監査役が備えるべきスキルと考え、本表には含めず、他に重要と思われる7項目を上記2.の通り抽出しています。
  5. 当社取締役会に求められるスキルは、経営戦略や外部環境の変化に応じて変わり得ます。今後も必要なスキルについて取締役会で議論し、本表を更新します。
  • 各取締役及び監査役の略歴を公表していますので、ご参照ください。
    役員一覧

取締役(社内)

 男性  女性

氏名 地位
(取締役
在任期間)
知識・経験・能力等(スキル)
企業経営 投資・M&A ICT・DX・テクノロジー ESG・サステナビリティ 財務・会計 法務・リスクマネジメント 人事・人材開発
 中村 邦晴 取締役会長
(14年3ケ月)
 兵頭 誠之 代表取締役
社長執行役員
(5年3ヶ月)
 上野 真吾 代表取締役
副社長執行役員
(3ヶ月)
 清島 隆之 代表取締役
副社長執行役員
(4年3ヶ月)
 諸岡 礼二 代表取締役
専務執行役員
(1年3ヶ月)
 東野 博一 代表取締役
専務執行役員
(1年3ヶ月)

取締役(社外)

 男性  女性

氏名 地位
(取締役
在任期間)
知識・経験・能力等(スキル)
企業経営 投資・M&A ICT・DX・テクノロジー ESG・サステナビリティ 財務・会計 法務・リスクマネジメント 人事・人材開発
 岩田 喜美枝 社外取締役
(5年3ヶ月)
 山﨑 恒 社外取締役
(5年3ヶ月)
 井手 明子 社外取締役
(3年3ヶ月)
 御立 尚資 社外取締役
(1年3ヶ月)
 高原 豪久 社外取締役
(3ヶ月)

監査役(社内)

 男性  女性

氏名 地位
(監査役
在任期間)
知識・経験・能力等(スキル)
企業経営 投資・M&A ICT・DX・テクノロジー ESG・サステナビリティ 財務・会計 法務・リスクマネジメント 人事・人材開発
 御子神 大介 常任監査役(常勤)
(3ヶ月)
 坂田 一成 監査役(常勤)
(1年3ヶ月)

監査役(社外)

 男性  女性

氏名 地位
(監査役
在任期間)
知識・経験・能力等(スキル)
企業経営 投資・M&A ICT・DX・テクノロジー ESG・サステナビリティ 財務・会計 法務・リスクマネジメント 人事・人材開発
 永井 敏雄 社外監査役
(7年3ヶ月)
 加藤 義孝 社外監査役
(7年3ヶ月)
 長嶋 由紀子 社外監査役
(2年3ヶ月)

監査役および監査役会

監査役体制の強化・充実

監査役会は、社内の常勤監査役2人と社外の非常勤監査役3人(うち女性1人)の5人で構成されています。社内監査役については、誠実な人格、高い識見と能力を有し、業務上の専門的知識と広範囲にわたる経験を兼ね備えた者を、性別や国籍等を問わず選定することとし、また、社外監査役については、誠実な人格、高い識見と能力を有し、特に法律、会計、企業経営等の分野における高度な専門知識と豊富な経験を有する者を、性別や国籍等を問わず選定することとしています。社外監査役のうち1人は大阪高等裁判所長官の経歴を持つ法律家、1人は財務及び会計に関する相当程度の知見を有する公認会計士であり、また、1人は企業経営及び上場企業における常勤監査役としての経験を有しています。いずれの社外監査役も、当社が上場する金融商品取引所が定める独立性に関する基準及び当社が定める独立性に関する基準を満たしています。

監査役監査の実効性の確保

監査役は、取締役会その他重要な会議に出席し、取締役及び使用人等からその職務の執行状況について報告を受け、必要に応じて説明を求め、重要な決裁書類等を閲覧し、本社及び主要な事業所に関して事業及び財産の状況を調査しています。また、子会社については、子会社の取締役及び監査役等と意思疎通及び情報の交換を図り、必要に応じて子会社から事業の報告を受けています。監査役の職務を補佐する専任組織として、監査役業務部(5人)を設置し、監査役業務部所属者の人事評価及び人事異動については監査役が関与しており、監査役業務部所属者の取締役からの独立性を確保しています。

内部監査部、会計監査人との連携

監査役は、効率的な監査を行うため、内部監査部と緊密な連携を保ち、内部監査の計画及び結果について適時に報告を受けています。また、会計監査人との定期的な打ち合わせを通じて、会計監査人の監査活動の把握と情報交換を図るとともに、会計監査人の監査講評会への出席、在庫棚卸監査への立ち会い等を行い、監査役の監査活動の効率化と質的向上を図っています。

取締役・監査役のトレーニングおよび情報提供

社外取締役・社外監査役に対して、就任時に、当社グループの経営理念、経営方針、事業、財務、組織、中期経営計画「SHIFT 2023」およびリスク管理体制などについて説明する機会を設けています。これに加え、取締役および監査役が必要な知識の習得や適切な更新などの研鑚を行えるよう、セミナーやeラーニングなどの機会も提供しており、これらに要する費用の支援も行っています。

また、住友の事業精神および当社の事業活動への理解を深めるため、原則として社外取締役・社外監査役は就任年度中に住友関連施設を訪問するとともに、少なくとも毎年国内1回および海外1回の現場視察の機会を提供するようにしています。なお、2022年度は、新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえ、海外の現場視察を中止した一方で、国内において計4回の住友関連施設訪問および現場視察を実施しました。

役員報酬制度

取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針に関する事項

当社は、過半数が社外取締役で構成される指名・報酬諮問委員会(委員長:社外取締役)の審議を経て、取締役会において、取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針を決議しました。その概要は、以下のとおりです。

  1. 報酬体系(●は、それぞれの報酬等の支給対象者を示します)

    報酬等の種類 支給対象
    業務執行取締役 取締役会長 社外取締役
    固定 例月報酬
    変動 業績連動賞与
    株式報酬
  2. 各報酬の水準および割合

    外部専門機関による客観的な報酬市場調査データ等を参考に、当社の経営環境や経営戦略・人材戦略を踏まえ、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現する優秀な経営人材を確保・リテインするために適切な報酬水準を設定したうえで、持続的な成長に向けた健全なインセンティブとして機能させるために、役割に応じて、固定報酬(例月報酬)と変動報酬(短期的な成果に連動する業績連動賞与と中長期的な成果や株主価値等に連動する株式報酬)の割合等を適切に設定します。

  3. 各報酬の決定方針および決定方法

    • 各報酬の決定方針:以下のとおりです。
    • 各報酬の決定方法:
      株主総会にてご承認いただいた限度額の範囲で、取締役会にて決定します。取締役会決議にあたっては、指名・報酬諮問委員会が内容を検討し、その結果を取締役会に答申します。
      その他の決定方法については以下のとおりです。

  各報酬の決定方針 各報酬の決定方法
固定 例月報酬
  • 上記水準により、毎月定額を支給。
  • 変動 業績連動賞与
  • 経営戦略との関連性を強化するという観点から、中期経営計画における業績管理指標等に応じて総支給額を決定し、各業務執行取締役への支給額は、役位や個人評価に応じて配分のうえ、事業年度終了後に支給。
  • 各業務執行取締役の個人評価は、財務指標と非財務指標の両側面により実施。
  • 指名・報酬諮問委員会の答申を踏まえ、当該事業年度に係る一定範囲の業績管理指標等の想定値を設定し、業績管理指標等の実績に応じて業績連動賞与を算出する業績連動賞与フォーミュラを取締役会にて決定。
  • 当該事業年度終了後に、取締役会から委任を受けた社長執行役員 CEOが各業務執行取締役との面談を経て当該フォーミュラの指標のうち個人評価を決定し、株主総会にてご承認いただいた限度額の範囲内で個人別賞与額を算出。
  • 個人評価の決定が適切に行われるようにするため、社長執行役員 CEOはその結果を指名・報酬諮問委員会に報告。
  • 株式報酬
  • 株主価値に加え、環境・社会・企業統治(ESG)に関する指標との連動性を重視しつつ、中長期的な事業ポートフォリオの最適化や企業価値向上、持続可能な成長に向けた取組を促進するとともに、株主の皆さまとの一層の価値共有を進めるものとし、その具体的な内容および支給時期は、指名・報酬諮問委員会の諮問を経て取締役会にて決定。
  • 指名・報酬諮問委員会の答申を踏まえ、複数の事業年度に係る指標等の実績に応じて株式報酬を算出する株式報酬フォーミュラを取締役会にて決定。
  • 各事業年度中に、取締役会から委任を受けた指名・報酬諮問委員会(社外取締役、取締役会長および社長執行役員 CEOにより構成)が当該フォーミュラの指標のうち環境・社会・企業統治(ESG)に関する指標の当該事業年度に係る評価を決定し、その決定内容を取締役会に報告。
  • 役員報酬等の報酬体系

    1. 役員の報酬体系(●は、それぞれの報酬等の支給対象者を示す)
      報酬等の種類 支給対象
      業務執行取締役/
      執行役員
      取締役会長 社外取締役 監査役
      固定 例月報酬
      変動 業績連動賞与
      譲渡制限付
      業績連動型株式報酬
    2. 業務執行取締役および執行役員の報酬水準および報酬構成比率

      • 外部専門機関による客観的な報酬市場調査データ等を参考に、当社の経営環境や経営戦略・人材戦略を踏まえ、適切な報酬水準および報酬構成比率を設定しています。
      • また、代表取締役 社長執行役員 CEOの報酬イメージは以下のとおりです。
    3. 業績連動賞与

      • 経営戦略との関連性を強化するという観点から、中期経営計画「SHIFT 2023」における業績管理指標および当社株価成長率(TOPIX(東証株価指数)成長率に対する当社株価成長率の割合)を反映して総支給額を決定します。
      • 各業務執行取締役への支給額は、役位や個人評価に応じて配分のうえ、事業年度終了後に支給します。
      • 各業務執行取締役の個人評価は、経営戦略と成果へのコミットメントをより強く意識することができるよう、財務指標(担当事業領域における事業計画等の達成状況)と非財務指標(戦略を同一とする事業群であるStrategic Business Unit(SBU)毎の戦略目標の達成状況を客観的に測る指標(KPI・KAI)の達成状況および全社重要課題への取組状況等)の両側面により実施します。
      • 個人評価における財務指標による評価と非財務指標による評価の比率は50:50とし、非財務指標のうち、全社重要課題であるDX(デジタルトランスフォーメーション)によるビジネス変革、サステナビリティ経営の高度化およびDiversity, Equity & Inclusionの推進については、その割合を全体の20%とします。

      [業績連動賞与の総支給額]

      • 想定する業績レンジを「連結純利益および基礎収益キャッシュ・フロー:2,000 億円~6,000億円」とし、業績が当該レンジに収まらなかった場合には、指名・報酬諮問委員会の答申を踏まえ、別途取締役会にて、総支給額を決定します。
      • 「SHIFT 2023」の取組をより一層推進すべく、総支給額の決定の指標に当社株価成長率も加味し、「連結純利益および基礎収益キャッシュ・フローから算出される金額」×当社株価成長率にて総支給額を算出します。なお、当社株価成長率の範囲は 80%~120%とします。

    4. 譲渡制限付業績連動型株式報酬

      • 当社グループの中長期的な企業価値向上と、株主の皆さまとの価値共有を重視した経営を推進すべく3年間の評価期間における当社株式成長率(TOPIX(東証株価指数)成長率に対する当社株価成長率の割合)に応じて交付株数を計算します。
      • 加えて、サステナビリティ経営の高度化へのコミットメントをより強く意識できるよう、環境・社会に関する非財務指標との連動性を高め、重要社会課題の解決に向けた取組をより一層促進すべく、非財務指標(「気候変動問題対応」、「女性活躍推進」、「従業員エンゲージメント」)の評価結果を反映し、当社普通株式を譲渡制限付株式として交付します。
      • 株主価値の共有を中長期にわたって実現するため、譲渡制限期間は、株式交付日から取締役または執行役員その他取締役会で定める地位のいずれも退任または退職する日までの期間とします。

    内部監査

    全社業務をモニタリングするための独立した組織として、社長執行役員直属の内部統制・内部監査統括責任者の下に内部監査部を設置し、当社グループの組織および事業会社を監査対象としています。内部監査の結果については、原則毎月社長執行役員に直接報告するとともに、取締役会および監査役会にも定期的に報告しています。内部監査部は、資産およびリスクの管理、コンプライアンス、業務運営からなる監査先の内部統制全体を対象として、定期的に監査を実施します。監査先に内在するリスクの重要度を考慮の上、監査先の内部統制の有効性・妥当性を評価するとともに、改善に向けた適切な助言を提供し、監査先自身による改善と定着を促すことを通じて、住友商事グループのガバナンス、内部統制の向上に貢献しています。

    各種委員会

    全社的観点から重要性の高い特定の事項につき、経営会議に対する諮問機関として全社経営戦略推進サポート委員会、グローバルイノベーション推進委員会、全社投融資委員会、内部統制委員会、コンプライアンス委員会、サステナビリティ推進委員会、コーポレート・コミュニケーション委員会、IT戦略委員会、人事諸制度委員会、年金運営委員会、インテリジェンス委員会を設けています。

    情報開示の基本方針

    「経営の透明性の確保」のための体制

    情報開示の基本方針

    当社は、経営方針と営業活動を全てのステークホルダーに正しく理解してもらうため、法定の情報開示にとどまらず、任意の情報開示を積極的に行うとともに、開示内容の充実に努めています。

    情報開示方針

    株主・投資家とのコミュニケーション

    株主総会に関連した取り組み

    当社は、定時株主総会の約3週間前に株主総会資料へのアクセス方法等を記載した通知書面(書面交付請求をした株主に対しては株主総会資料)を発送し、それに先立って当社のウェブサイトに英訳版とともに掲載しています。さらに、インターネットによる議決権行使(株式会社ICJが運営する機関投資家向け議決権電子行使プラットフォームを含む)を可能とすることで、株主・投資家のために議案内容の十分な検討時間を確保しています。また、株主総会の様子を株主向けにインターネット上で同時配信し、株主総会終了後に当社ウェブサイト上で一定期間、株主総会の模様を動画配信しているほか、2022年からは、株主総会に際して株主からインターネットによる事前質問の受付を行っています。

    各種情報の開示

    当社のウェブサイト上では、決算情報・有価証券報告書・適時開示資料などのほか、会社説明会資料など、投資判断に資する資料をタイムリーに掲載しています。また、年次報告書である統合報告書に加えて、ESGコミュニケーションブックも発行し、財務情報のみならず、非財務情報についても積極的な情報開示を行っています。

    IR・SR活動(注1)

    株主・投資家の皆さまとのダイレクト・コミュニケーションの場として、国内のアナリスト・機関投資家向けに経営トップの出席の下、年4回、定期的な決算説明会を行っているほか、個別ミーティングを実施しています。また、個人投資家向けには、主要都市での会社説明会に加えて、オンラインでの会社説明会を開催しています。海外投資家については、欧州・北米・アジアの機関投資家を中心に、継続的に個別ミーティングを実施しています。当社株式を実質的に保有する国内・海外の機関投資家とのミーティングでは、当社のESG(環境・社会・ガバナンス)に関する取り組みや方針などについて定期的に建設的な対話(エンゲージメント)を行っています。今後も、経営の「透明性」を高めつつ、株主・投資家の皆さまとの信頼関係の強化に努めていきます。

    1. 2022年度の説明会・ミーティングは、国内・海外ともに、対面・オンラインを併用して実施しました。


    当社は、これらの取り組みを通じて、コーポレートガバナンス体制の改善・充実を図るとともに、「経営の効率性の向上」および「経営の健全性の維持」の観点から、内部統制の実効性の維持・向上のため、内部監査、リスクマネジメント、コンプライアンスの一層の徹底・強化に努めています。

    コーポレートガバナンス・コードへの対応状況

    コーポレートガバナンス・コードへの対応状況

    コーポレートガバナンス・コードへの対応状況

    当社は(株)東京証券取引所の「コーポレートガバナンス・コード」に記載された各項目をすべて実施しています。詳細につきましては、コーポレートガバナンス報告書をご参照ください。

    コーポレートガバナンス報告書(PDF/551KB)

    政策保有株式の保有方針および議決権行使基準について(コーポレートガバナンス・コードに基づく情報開示)

    当社は、純投資以外の目的で上場株式を取得・保有しないことを原則とします。
    ただし、協業や事業上の必要性などを踏まえ、個別銘柄ごとに資本コストを考慮した経済合理性や保有意義などを総合的に評価・検証し、適当と判断した場合には例外的に保有することがあります。また、これら上場株式の保有の適否は、毎年、取締役会において検証します。

    その結果、保有意義が認められない株式については、売却を進めていきます。なお、2022年度は22銘柄(一部売却を含む)、338億円の上場株式を売却し、2023年3月末時点での保有残高は59銘柄・1,907億円となっております。

    議決権行使に当たっては、社内ガイドラインに基づき、投資先企業および当社の中長期的な企業価値・株主価値の向上に繋がるかどうかという観点に立ち、定量・定性の両面からさまざまな検討を十分に行ったうえで、総合的に判断し、各議案について適切に議決権を行使することとしています。

    当社の株式を純投資目的以外の目的で保有している会社から当該株式の売却などの意向が示された場合には、原則としてこれを尊重し、取引関係にも影響を及ぼしません。

    ガバナンス強化の変遷

    ガバナンス強化の変遷

    ガバナンス強化の変遷

    当社はこれまで、監査役会設置会社として、社外監査役・社外取締役の増員、取締役会の実効性評価等、継続的なガバナンス強化に取り組んできました。 今後も取締役会の機能強化や、グループガバナンスの強化等、ガバナンスのさらなる実効性向上に向けて、より一層注力していきます。

    1993年 社外監査役の導入
    1998年 「住友商事グループの経営理念・行動指針」の策定
    2003年 「住友商事コーポレートガバナンス原則」の策定
    取締役の減員(24名→12名)
    執行役員制度の採用
    会長・社長の在任期間制限(6年)をコーポレートガバナンス原則に明記
    社外監査役を1名増員し、3名(監査役5名)体制に
    2005年 取締役及び執行役員の任期を1年に短縮
    2007年 取締役会の諮問機関として半数以上が社外委員で構成される報酬委員会を設置
    2013年 社外取締役の導入(2名)
    社外取締役の在任期間制限(6年)をコーポレートガバナンス原則に明記
    社外監査役の在任期間制限(8年)をコーポレートガバナンス原則に明記
    2015年 ガバナンス及び意思決定プロセスの見直し
    • 経営会議を執行レベルの最高意思決定機関に
    • 取締役会のモニタリング機能の強化
    • 報酬委員会を過半数が社外取締役で構成される指名・報酬諮問委員会に改組
    社外取締役を1名増員し、3名体制に
    2016年 取締役会の実効性評価を開始(評価対象は2015年度から)(以後、毎年継続)
    コーポレートガバナンス・コードの全原則を実施(以後、毎年継続)
    取締役会付議基準の見直し
    社外取締役を1名増員し、4名体制に
    2017年 社内取締役を10名から6名に減員(会長、社長、コーポレート担当役員3名、事業部門長等1名)
    2018年 社外取締役5名体制に
    2019年 相談役・名誉顧問制度の見直し
    社長執行役員CEOの選任・解任に関する方針・手続きを決定
    取締役会長の選定・解職に関する方針・手続きを決定
    2020年 取締役会における「アジェンダセッティング」の開始
    2021年 取締役・監査役のスキルマトリックスの開示
    2023年 取締役を支援する専門部署の新設