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Environment 環境

気候変動

「気候変動」についてご紹介している住友商事のサステナビリティページです。

気候変動問題に対する方針

当社は、気候変動問題に対する取り組みをさらに推進するため、2026年2月に住友商事グループのカーボンニュートラル化目標を更新しました。更新の経緯や内容の詳細については、気候変動特設サイトをご覧ください。

また、2025年度分の有価証券報告書において、将来のSSBJ基準による法定開示を見据えて、気候関連を含む当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得るトピックスについて、投資家にとって有用な情報を一部先行して開示しています。

株式会社ディ・エフ・エフ

~はじめに~

TCFD提言に基づく情報開示

~はじめに~

当社は、気候変動がもたらすリスク及び機会を把握し、事業活動に活かすべく、2019年3月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同し、以降TCFDのフレームワークに基づいた開示を行っています。

株式会社ディ・エフ・エフ, 住友商事株式会社

1. ガバナンス

監督

当社グループの幅広い事業活動において、気候関連の多様なリスク及び機会を踏まえた重要な経営事項の決定と、経営会議及び執行役員が行う意思決定及び業務執行の監督については、取締役会が責任を持って行っています。

気候関連の重要な経営事項の意思決定については、取締役会規程等において明確に定められた権限分担に基づいて、取締役会が、経営会議やその諮問機関であるサステナビリティ推進委員会等での検討を経て取締役会に付議された、気候関連方針・目標の策定・改訂、気候関連を含む事業ポートフォリオ全体のリスク及び機会、サステナビリティ推進に係る重要な取組、重要な個別案件の実施の是非等についての審議・決定を行っています。取締役会は、気候関連を含む事業ポートフォリオ全体のリスク及び機会の分析・対応状況について、少なくとも半期ごとに報告を受けています。
また、取締役会は、個別事業で認識している気候関連のリスク及び機会の分析・対応状況、モニタリング指標等についても、年次でサステナビリティ推進部より報告を受けており、経営会議等の業務執行側の取組状況を監督しています。

なお、取締役を含む当社役員がサステナビリティ経営へのコミットメントをより強く意識できるよう、非財務指標「気候変動問題対応」の評価結果を役員の報酬に反映しています。詳細は、当社ウェブサイトの「役員報酬制度」を参照ください。

また、取締役会は、その役割を十分に果たすため、取締役会として備えるべき知識・経験・能力等(以下、「スキル」)を特定しており、そのスキルにはサステナビリティが含まれています。各取締役が有するスキルは、その経歴、知識、経験、能力、保有資格、具体的な成果等を総合的に考慮し、各取締役と協議の上で決定しており、サステナビリティに係るスキルを有する複数の取締役を含み、取締役会を構成しています。詳細は、当社ウェブサイトの「当社取締役会が備えるべき知識・経験・能力等(スキル)および各取締役が有するスキル」を参照ください。

業務施行

当社グループの気候関連の重要な経営事項の意思決定及び業務執行は、社内規程の定めに応じて経営会議及び執行役員が行っています。経営会議は気候関連の多様なリスク及び機会を評価・管理し、効果的な意思決定を行うため、サステナビリティ推進委員会等に諮問した上で、総合的な意思決定を行っています。

なお、気候関連の取組やリスク及び機会への対応については、サステナビリティを推進する施策の企画や社内浸透を担当する専門組織であるサステナビリティ推進部と、当社の経営計画全体や重要施策の企画を行う経営企画部等の関連コーポレート組織、各営業グループ、海外地域組織の各トピックス推進担当者が連携し、グループ内の調査機関や各営業組織、海外拠点等からもたらされる情報等を基に、全社的企画や施策の立案や推進を行っています。

加えて、ESGに関する社外有識者で構成される「サステナビリティ・アドバイザリーボード」を設置し、当社のサステナビリティ経営全般について助言・提言を得て取り進めています。

当社の気候関連のガバナンス体制図は次のとおりです。
当社のサステナビリティ経営を含むコーポレートガバナンスの状況等の詳細は、当社ウェブサイトの「コーポレートガバナンス」ページ参照ください。

<気候関連のガバナンス体制(2026年6月時点)>

気候変動問題への対応の体制図
株式会社ディ・エフ・エフ

2. 戦略

当社は、パリ協定における世界的合意を重視し、同協定に掲げられた社会のカーボンニュートラル化目標の達成により積極的に貢献するため、 「気候変動問題に対する方針」を掲げ、事業活動を行っています。2019年に取締役会にて決議・制定後、随時見直しを行っており、Scope3排出量の算定・開示が完了したことやサステナビリティ開示基準(SSBJ基準)の適用を見据え、説明責任を強化することを目的とし、2026年2月に、当社グループのカーボンニュートラル化目標をGHGプロトコルに基づく排出量区分に合わせた設定に更新しました。

気候変動問題に対する方針

基本方針

  • 2050年に住友商事グループのカーボンニュートラル化を目指す(※)。
  • 持続可能なエネルギーサイクル実現のため、社会全体のGHG排出削減や炭素除去に資する技術・ビジネスモデルを開拓する。
  • ビジネスパートナーや公共機関と協力した取り組みや提言などを通じて、社会のカーボンニュートラル化に貢献する。

事業における方針

  • 社会全体のGHG排出削減に資する再生可能エネルギー化やエネルギー活用の効率化、および燃料転換を促進する。
    また、再生可能エネルギーを主体とした新たなエネルギーマネジメントやモビリティサービスの提供、水素社会などの実現に取り組む。
  • 発電事業については、地域社会における経済や産業の発展に不可欠なエネルギーを安定的に供給するとともに、経営資源を、より環境負荷の低い発電ポートフォリオに継続的にシフトする。
  • 火力発電、化石エネルギー権益の開発については、2050年のカーボンニュートラル化を前提として取り組む。
    • 石炭火力発電については、新規の発電事業・建設工事請負には取り組まない。
      また、石炭火力発電事業については、2035年度までにCO2排出量を60%以上削減(2019年度比)し、2040年代後半には全ての事業を終え石炭火力発電事業から撤退する。
    • 一般炭鉱山開発事業については、今後新規の権益取得は行わず、持分生産量を2020年代後半にゼロにする。天然ガス開発事業は、社会のエネルギー・トランジションに資する案件に限り取り組む。
  • カーボンニュートラル化対象範囲はScope1・2およびScope3(Category13および15)。カーボンニュートラル化とは、当社グループのGHG排出を削減したうえで、炭素除去など国際的に認められた方法により、残余排出量を実質ゼロとすること。

また、2024年度から始まった新中期経営計画では、短期的には、強み・競争優位のある当社事業をGXでさらに強化してまいります。同時に様々な産業分野において、市場形成を含めた収益化までの時間軸も考慮して取り組み、中長期的には、GXで将来の新たな強みをつくります。

削減貢献量

削減貢献量とは、新たな製品・サービスが既存商品を代替することで、世の中から回避された排出量を定量化したものです。当社事業による社会のカーボンニュートラル化への貢献度を可視化する指標として社内の議論に活用しています。脱炭素社会へのトランジションは長期にわたるプロセスであり、その過程では多様な新製品・サービスが必要となります。当社グループは、より低炭素な商品の開発に加え、再生可能エネルギーに不可欠な素材の供給や、市場拡大に向けた取り組みを進めています。
その一例として、以下に再生可能エネルギー事業の運営による2025年度の削減貢献量(ストックベース)を開示します。

貢献内容 ベースライン 算出式 削減貢献量
再生可能エネルギーを創出することによる貢献 各国のエネルギーミックス 発電設備容量[MW/年] × 年間稼働時間 × 排出係数[tCO2/MWh] × 当社持分比率 3,265千tCO2e

なお、削減貢献量は、当社事業による社会への貢献度を示す参考指標であり、当社グループのGHG排出量を相殺するものではありません。

  • 参考とした主なガイドライン
    • GXリーグ 「気候関連の機会における開示・評価の基本指針」(2023)
    • WBCSD/WRI 「GHG Protocol Corporate Accounting and Reporting Standard」(2019)
    • WBCSD/Net Zero Initiative 「Guidance on Avoided Emissions」(2023)
    • 経済産業省 「温室効果ガス削減貢献定量化ガイドライン」(2018)

個別事業別の気候関連のリスク及び機会

当社グループの各事業におけるビジネスモデルを踏まえ、当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得る気候関連のリスク及び機会は以下のとおりです。個別事業別に下表のとおり整理しています。
なお、以下のリスク及び機会は、「3.リスク管理」に記載のプロセスで識別しています。

  • 物理的リスク
    気候変動によって引き起こされる農作物の収量減リスク、洪水による操業停止リスク
  • 移行リスク
    脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク、カーボンプライシング及びエネルギー価格高騰による財務インパクト
  • 事業機会
    脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会、低炭素製品への移行機会
事業 区分 内容 時間軸・財務的影響
短期 中期 長期
鋼管事業 移行リスク 脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク
カーボンプライシングによる財務インパクト
船舶事業 移行リスク 脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク
事業機会 脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会
自動車事業 移行リスク カーボンプライシングによる財務インパクト
小売事業 移行リスク カーボンプライシングによる財務インパクト
エネルギー価格高騰による財務インパクト
食料事業 移行リスク カーボンプライシングによる財務インパクト
銅事業 移行リスク カーボンプライシングによる財務インパクト
事業機会 脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会
アルミ事業 移行リスク カーボンプライシングによる財務インパクト
一般炭・原料炭事業 移行リスク 脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク
カーボンプライシングによる財務インパクト
鉄鉱石事業 移行リスク 脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク
化学品事業 事業機会 脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会
農業資材 ディストリビューター事業 物理的リスク 農作物の収量減リスク
発電事業 物理的リスク 洪水による操業停止リスク
移行リスク 脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク
天然ガス・LNG事業 (上流権益) 移行リスク 脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク
カーボンプライシングによる財務インパクト
天然ガス・LNG事業 (トレード) 移行リスク 脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク
事業機会 脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会
低炭素製品への移行機会
海洋油・ガス 生産設備傭船事業 移行リスク 脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク
  • 当社グループの個別事業に好影響を及ぼす悪影響を及ぼす
    対象事業への財務的影響額の詳細は「個別事業別の気候関連のリスク及び機会に関する分析」をご覧ください

    (+もしくは-表記の場合には、財務的影響は算出していないもののリスク・機会が該当するもの)
対象事業への財務的影響額 (親会社の所有者に帰属する当期利益への影響額)

大 : ±300億円以上~500億円未満
中 : ±100億円以上~300億円未満
小 : ±100億円未満

時間軸

短期 2026年 : 当社グループの中期経営計画の期間と整合(2026年度は、現行の同計画対象期間の最終年度)
中期 2035年 : 当社グループの中間削減目標の期間に整合させるため
長期 2050年 : 2050年に当社グループのカーボンニュートラル化を目指していることに整合させるため

個別事業別の気候関連のリスク及び機会に関する分析

当社グループの見通しに影響を与え得る個別事業別の気候関連のリスク及び機会について、次のとおり分析しています。

リスクによって予想される対象事業への財務的影響は、当社としての対応策を考慮せず、物理的リスクの場合には2100年までに産業革命以降4℃上昇想定のIPCC(※1)によるRCP8.5シナリオ(※2)をベースとして、移行リスクの場合にはIEA(International Energy Agency:国際エネルギー機関)のNZE(Net Zero Emission)シナリオ(※3)をベースとして算出しています。一方、機会によって予想される対象事業への財務的影響は、IEAのNZEシナリオを考慮して算出しています。
移行リスクのうち脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク及び脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会に関しては、事業環境が大きく変化した際に、事業の耐性及び新たなビジネス機会を客観的に評価する観点から、中期及び長期の時間軸における当社個別事業に対する影響について、NZEシナリオに加えてSTEPS(The Stated Policies)シナリオ(※4)も用い、各シナリオが想定する社会や経済の状況をもとに分析しています。
なお、これらのシナリオは当社の経営方針や事業戦略の前提を示すものではありません。

  1. Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル
  2. Representative Concentration Pathway:産業革命以降、2100年までに4℃上昇を想定したシナリオ
  3. 1.5℃上昇:世界全体での2050年ネットゼロ達成からバックキャストしたシナリオ
  4. 2.5℃上昇:現行政策及び実施表明済の今後の追加政策がすべて実施された場合に予想されるシナリオ
カーボンプライシングによる財務インパクトの算出方法について

カーボンプライシングによって将来与えると予想される財務的影響については、以下の3事業を除き、当報告期間における対象事業のGHG排出量(Scope1・2)実績に、IEAが発行する「World Energy Outlook 2025」に掲載されたNZEシナリオの炭素価格の見通しを掛け合わせて算出しています。なお、権益事業については既存事業を採掘終了まで継続保有する前提としています。

  • 鋼管事業:
    欧州域内排出量取引(EU-ETS)や炭素国境調整措置(CBAM)の導入により影響を受ける可能性がある欧州向けビジネスの当報告期間実績より算出。
  • 一般炭・原料炭事業:
    事業所在国において炭素税が既に導入されていることから、当報告期間における対象事業のGHG排出量(Scope1・2)実績に、事業所在国が定める炭素クレジット単位を掛け合わせて算出。
  • 天然ガス・LNG事業(上流権益):
    既に参画しているプロジェクトで生産されるLNGの使用時に排出されるGHG排出量の当社持分見通しに、IEAにおけるNZEシナリオの炭素価格の見通しを掛け合わせて算出。

鋼管事業

移行リスク 鋼管事業においては、脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク及びカーボンプライシングによる財務インパクトを認識しています。
リスク詳細 ■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク
IEAのNZEシナリオにおいては化石燃料の需要減少が見込まれており、それに伴い、化石燃料の採掘・輸送・貯蔵に使用されるエネルギー鋼管の販売量が減少するリスクを認識しています。
<時間軸>中期・長期

■カーボンプライシングによる財務インパクト
欧州域内排出量取引(EU-ETS)や炭素国境調整措置(CBAM)の導入により、欧州域内の競合メーカーとの間に競争力の差が生じ、欧州における鋼管販売量が減少するリスクを認識しています。
<時間軸>中期・長期
当期/翌期の財務的影響 当期・翌期における重大な財務的影響はありません。
戦略・緩和策 ■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク
引き続きCCS・CCUS・地熱発電用といった気候変動対策の鋼管の販売に加え、エネルギー企業に対する鋼管販売以外の周辺ビジネスを拡充してまいります。

■カーボンプライシングによる財務インパクト
官民・業界団体を挙げた高炉低炭素化の促進等、様々な取り組みが行われている中、当社も当該取り組みを支援する社内組織を通じ、高炉から電炉への転換や製鉄還元方法の低炭素化等、上流(仕入先である製鉄メーカー)の低炭素化を引き続き支援してまいります。また、下流(客先であるエネルギー企業)に対しても、排出量削減に伴う環境価値に対する理解やコスト負担を得られるよう働き掛けてまいります。
予想される財務的影響 ■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク
<財務的影響>中期:ネガティブ小、長期:ネガティブ中
(STEPSシナリオの場合には、中期・長期ともにポジティブ小)
NZEシナリオにおいては化石燃料の需要減少が見込まれており、それに伴うエネルギー鋼管の需要への影響については引き続き注視してまいります。
一方で、世界経済の成長や人口増加に伴いエネルギー需要は今後も増加することが見込まれていることから、化石燃料の採掘は継続するものと想定し、引き続きエネルギー鋼管の需要が維持される前提での戦略を立てています。

■カーボンプライシングによる財務インパクト

<財務的影響>中期・長期:ネガティブ小
戦略・緩和策の実施に伴い上流の競争力を回復させることで、上記の財務的影響は低減可能であると考えています。

船舶事業

移行リスク
事業機会
船舶事業においては、脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク及び事業の拡大機会を同時に認識しています。
リスク・機会詳細 海運需要については中長期的に、STEPSシナリオでは増加、NZEシナリオではほぼ横ばいが見込まれています。
脱炭素社会への移行の中で、石炭需要の減少に伴い石炭輸送の需要が減少することに起因して、石炭輸送に一部従事する当社が保有・管理するばら積み船の傭船料収入が減少するリスクを認識しています。
また、国際海事機関(IMO: International Maritime Organization)や各国当局による環境規制・課税等の導入により、低炭素技術への投資負担や運航コストが増加する可能性がある一方、ゼロエミッション船・低炭素船(※)に対する需要が高まることが予想され、ばら積み船の貨物・用途変更、ゼロエミッション船・低炭素船の導入により、傭船収益や売船収益が増加する機会を認識しています。
<時間軸>中期・長期
  • LNG燃料船、メタノール燃料船、アンモニア燃料船等
当期/翌期の財務的影響 当期・翌期における重大な財務的影響はありません。
戦略・緩和策 石炭を含むばら積み船の貨物需要や、各国の法規制、市場、ゼロエミッション船・低炭素船の技術やコストの動向を引き続き注視しながら、環境規制の将来的な導入等を見据え、保有船のポートフォリオにおけるゼロエミッション船・低炭素船の比率の引き上げ、次世代燃料船の保有スキームの検討、傭船需要のヒアリング等を実施してまいります。
予想される財務的影響 <財務的影響>中期・長期:ポジティブ小
(STEPSシナリオの場合には、中期:ポジティブ小、長期:ポジティブ中)

石炭輸送の需要減少に伴い、石炭輸送に従事するばら積み船の需要が低下する場合にも、世界経済の成長や人口増加に伴い、石炭以外の輸送におけるばら積み船の需要は増加を見込んでいます。
国際的な環境規制の動向次第ではあるものの、中長期的には次世代燃料船建造や既存船への省エネデバイス装着等に対する投資を実施し、今後導入される規制への早期対応より、将来的な炭素税負担・規制違反に伴う罰金や非効率船の淘汰による代替コストを回避することによる相対的な収益力の向上、グリーン運賃享受による収益性の向上を見込んでいます。

自動車事業

移行リスク 自動車事業においては、カーボンプライシングによる財務インパクトを認識しています。
リスク詳細 炭素税導入に伴い、製造時の熱源として化石燃料あるいは電力を使用している事業において、炭素税負担相当分の利益率が低下するリスクを認識しています。
<時間軸>中期・長期
当期/翌期の財務的影響 当期・翌期における重大な財務的影響はありません。
戦略・緩和策 カーボンニュートラルに向けた打ち手に関して、製造領域の事業会社各社との協議を開始しています。最も排出量の多い事業会社においては、2050年にScope1・2排出量ゼロを目指すロードマップを策定済です。2018年度を基準にGHG排出量削減率をモニタリングしており、環境負荷低減に向けた具体的な打ち手として使用電力のグリーン化を進めています。
なお、当該事業会社において2022年度にCNロードマップを策定した際には、2030年度までに2018年度比30%削減をマイルストーンとしていたものの、2024年度に前倒しで達成しています。引き続き従来方針のとおり、使用設備の省エネ化・電化並びに使用電力のグリーン化を拡大することで、サプライチェーン全体の環境負荷削減に取り組んでまいります。
予想される財務的影響 <財務的影響>中期:ネガティブ小、長期:ネガティブ中
戦略・緩和策の実施に伴い、使用設備の省エネ化・電化への投資、使用電力のグリーン化に伴う電力コストの増加が見込まれる一方、上記の財務的影響の低減は可能であると考えています。 なお、カーボンプライシングによる財務インパクトはサプライチェーン全体の課題であり、客先・サプライヤーとの対話を重ねてまいります。

小売事業

移行リスク 小売事業においては、カーボンプライシングによる財務インパクト及びエネルギー価格高騰による財務インパクトを認識しています。
リスク詳細 ■カーボンプライシングによる財務インパクト
炭素税導入に伴い、エネルギー使用量の多い製造工程・配送過程(※)において、炭素税負担の原価転嫁により利益率が低下するリスクを認識しています。
<時間軸>中期・長期
  • 自社物流センターにおける運行管理、自社加工センターでの製造、
    自社営業拠点の運営(販売・加工場所)、
    自社物流工程(自社物流センターから営業拠点への配送)
■エネルギー価格高騰による財務インパクト
エネルギー価格高騰に伴い、自社営業拠点及び物流センター・加工センターにおいて、操業コストが増加するリスクを認識しています。
<時間軸>中期・長期
当期/翌期の財務的影響 当期・翌期における重大な財務的影響はありません。
戦略・緩和策 ■カーボンプライシングによる財務インパクト
GHG排出量削減を目的として、省エネ設備や、高効率保管設備の導入及びトラック運行回数の削減による物流の効率化に取り組んでいます。
今後、2050年カーボンニュートラル化目標達成に向けたロードマップ策定の検討を行い、引き続きトラック運行回数の低減等による物流の効率化に取り組んでまいります。

■エネルギー価格高騰による財務インパクト
引き続き従来方針のとおり、自社営業拠点におけるエネルギー使用量の抑制及び価格競争力の高い電力会社起用によるエネルギー単価の抑制に取り組むとともに、中長期的に省エネ設備の導入を加速してまいります。
予想される財務的影響 ■カーボンプライシングによる財務インパクト
<財務的影響>中期・長期:ネガティブ小
戦略・緩和策の実施に伴い、中長期的にはGHG排出量の削減を目的とした省エネ設備導入及び物流効率化に伴う支出を予定しており、上記の財務的影響は低減可能であると考えています。

■エネルギー価格高騰による財務インパクト
中長期的には、省エネ設備導入及び更新に伴う支出を見込んでおり、戦略・緩和策の実施に伴い、想定される財務的影響は限定的となる見込みです。

食料事業

移行リスク 食料事業においては、カーボンプライシングによる財務インパクトを認識しています。
リスク詳細 炭素税導入に伴い、自社農園における果物生産及び自社追熟加工施設における追熟加工において、炭素税負担の原価転嫁により利益率が低下するリスクを認識しています。
<時間軸>中期・長期
当期/翌期の財務的影響 当期・翌期における重大な財務的影響はありません。
戦略・緩和策 低窒素肥料への切り替えによる肥料由来排出の削減、再生可能エネルギーの導入拡大に引き続き取り組んでまいります。
予想される財務的影響 <財務的影響>中期・長期:ネガティブ小
短期的には、省エネ設備導入に伴う支出を見込んでおり、戦略・緩和策の実施に伴い、上記の財務的影響は低減可能であると考えています。

銅事業

移行リスク
事業機会
銅事業においては、カーボンプライシングによる財務インパクト及び脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会を認識しています。
リスク・機会詳細 ■カーボンプライシングによる財務インパクト
当社保有権益の鉱山における生産活動において、環境規制の強化に伴う操業コストの増加リスクを認識しています。
<時間軸>中期・長期

■脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会
世界的な再生可能エネルギーやEVを含むクリーンエネルギー用途の拡大、AIデジタル化の進展等を背景に、IEAのSTEPSシナリオ及びNZEシナリオともに銅需要の中長期的な増加が見込まれており、銅需要増加に起因する銅価格の上昇に伴い、当社保有権益の鉱山における生産・販売活動において、収益の増加機会を認識しています。
<時間軸>中期・長期
当期/翌期の財務的影響 当期・翌期における重大な財務的影響はありません。
戦略・緩和策 ■カーボンプライシングによる財務インパクト
一部鉱山においては、既に再生可能エネルギーへのシフト等を実施し、GHG排出量を削減してまいりました。今後、他の鉱山においても、使用電力を再生可能エネルギーに100%シフトすることを予定しています。

■脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会
操業鉱山の減耗や新規鉱山の開発難易度、環境保護規制強化等の影響により、供給量の拡大が難しい傾向が続くことが見込まれています。同時に、サプライチェーン全体での環境負荷低減への対応が重要となっており、このような環境下において、環境・社会への配慮を行いながら、中長期にわたり安定的な供給を継続することが求められています。
当社としては、海外銅鉱山への出資を通じた新規権益取得や既存権益の生産量拡大、脱炭素化を支える銅の安定供給に貢献するとともに、銅製品の安定調達に対応し、当社事業の持続的な収益機会の確保を図っています。あわせて、操業の効率化や環境負荷の低減、製品ライフサイクル全体を通じた資源循環の高度化等を通じ、持続可能な形での銅供給に取り組んでいます。
予想される財務的影響 ■カーボンプライシングによる財務インパクト
<財務的影響>中期・長期:ネガティブ小
戦略・緩和策の実施に伴い、今後さらなる規制強化が行われる場合にも、財務的影響は限定的となる見込みです。

■脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会
<財務的影響>中期・長期:ポジティブ
(STEPSシナリオの場合にも、中期・長期ともにポジティブ)
  • 銅需要の変化に伴う銅価格の変動は不確実性が高く、財務的影響の算出は困難。

アルミ事業

移行リスク アルミ事業においては、カーボンプライシングによる財務インパクトを認識しています。
リスク詳細 当社アルミ製錬所におけるアルミ製錬プロセスにおいて、カーボンプライシングによる操業コストの増加リスクを認識しています。
<時間軸>中期・長期
当期/翌期の財務的影響 当期・翌期における重大な財務的影響はありません。
戦略・緩和策 電解工程における操業改善によるGHG排出量の削減に取り組んでおり、現在、再生可能エネルギー証書(REC:Renewable Energy Certificate)の取得を取り進めています。
なお、主要事業会社においては、2050年カーボンニュートラル目標を策定しています。
予想される財務的影響 <財務的影響>中期:ネガティブ小、長期:ネガティブ中
上記の戦略・緩和策以外にもGHG排出量削減に寄与する複数の取り組みを検討しており、上記の財務的影響は低減可能であると考えています。

一般炭・原料炭事業

移行リスク 一般炭・原料炭事業においては、脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク及びカーボンプライシングによる財務インパクトを認識しています。
リスク詳細 ■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク
原料炭需要の減少や顧客構造の変化に伴い、当社保有の原料炭上流権益事業において、収益の減少リスク及び資産評価リスクを認識しています。
<時間軸>中期・長期

■カーボンプライシングによる財務インパクト
GHG排出に対する規制強化(特にメタン)及び炭素税導入に伴い、当社保有権益の炭鉱における生産活動において、操業コストが増加するリスクを認識しています。
なお、事業所在国政府により、既に当該国内におけるGHG排出削減量が定められています。
<時間軸>短期
  • 先進国を中心とした多くの国におけるエネルギー政策において、石炭火力発電はガス火力発電、そして再生可能エネルギー発電への転換が計画されていることから、石炭火力発電に用いられる一般炭の需要も減少することが見込まれています。斯様な環境を踏まえ、一般炭鉱山開発事業については、当社気候変動問題に対する方針に則り、今後新規の権益取得は行わず、持分生産量を2020年代後半までにゼロとすることで、中期・長期の時間軸において撤退済予定のため財務的影響はありません。
  • 原料炭事業については、中期・長期の時間軸において既存保有権益は終掘予定です。
当期/翌期の財務的影響 当期において炭素税の支払いが発生しているものの、当期の財務的影響を受け、翌期において資産及び負債の帳簿価額に与える重大な影響は見込んでおりません。
<当期の財務的影響>ネガティブ小
戦略・緩和策 ■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク
原料炭事業については、当社が保有する権益は原料炭の中でも高品位の原料炭を産出しており、IEAのSTEPSシナリオ及びNZEシナリオのいずれの場合においても一定の需要が維持される見込みのため、原料炭事業が受ける影響は限定的となる見通しです。今後もこうした特性を有する原料炭を産出する炭鉱への出資を検討してまいります。
一方で、原料炭事業を取り巻く外部環境として、許認可等の理由により新規原料炭炭鉱の立ち上げが近年遅延する傾向があることを認識しています。

■カーボンプライシングによる財務インパクト
当社保有権益においては、操業効率の改善を通じた排出量の削減に取り組んでおります。また、バイオディーゼル燃料への活用等も想定した炭鉱跡地活用事業(ポンガミア植林事業)や、露天掘り炭鉱においてガス抜き事業を行うLoop社等への出資を通して、脱炭素に貢献しております。
今後も引き続き、事業所在国政府により定められた排出量の削減及び自助努力による排出量の削減に取り組んでまいります。
予想される財務的影響 ■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク
<財務的影響>中期・長期:ネガティブ小
(STEPSシナリオの場合にも、中期・長期ともにネガティブ小)

上記のとおり、一般炭鉱山開発事業は今後新規の権益取得は行わず、持分生産量を2020年代後半までにゼロとする方針であり、中期・長期の時間軸において撤退済予定のため財務的影響はありません。当社資源ポートフォリオにおける一般炭権益の割合は相対的に小さく、現行保有する権益についても近い将来にマインライフの終了を迎える予定です。同権益は需要が相対的に高い高品位炭を産出しておりコスト競争力もあるため、需要減の局面においても一定の価格下振れ耐性を備えています。
原料炭については、長期的には多くの国・地域における炭素税の導入・強化等の政策進展を背景に、CO2排出量の少ない低炭素製鉄法の実用化や電炉鋼比率の増加が進み、需要の減少が見込まれています。ただし、CCUS等のCO2回収・貯留技術との組み合わせにより、高炉による製鉄事業は当面維持される見込みです。また、当社グループの上流権益投資事業は海上貿易市場向けであり、海上貿易市場における原料炭需要はSTEPSシナリオでは増加、NZEシナリオでは限定的な減少が見込まれており、STEPSシナリオ及びNZEシナリオともに供給減が需要減に先行して発生する見通しです。当社が保有する権益は原料炭の中でも高品位の原料炭を産出しており、IEAのSTEPSシナリオ及びNZEシナリオのいずれの場合においても一定の需要が維持される見込みのため、原料炭事業が受ける影響は限定的となる見通しです。

■カーボンプライシングによる財務インパクト
<財務的影響>短期:ネガティブ小
2026年度通期予想に炭素税を織り込んでいます。

鉄鉱石事業

移行リスク 鉄鉱石事業においては、脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスクを認識しています。
リスク詳細 鉄鋼メーカーにおける高炉から電炉への転換に起因する鉄鉱石需要の減少に伴い、当社鉄鉱石上流権益事業において、収益の減少リスク及び資産評価リスクを認識しています。
<時間軸>中期・長期
当期/翌期の財務的影響 当期・翌期における重大な財務的影響はありません。
戦略・緩和策 当社の鉄鉱石関連事業では、中国・日本を中心としたアジアへの資源の安定供給に貢献しています。当社が保有する権益は、中期以降の時間軸において、多くが希少性の高い高品位鉄鉱石となる予定であり、電炉比率の増加に伴う鉄鉱石需要の減少による影響は軽微となる見通しです。今後も引き続き、鉄鋼業における脱炭素社会への移行対応における製鉄法・製鋼法の変化による需要への影響を注視し、販売先の多様化・分散を通じて鉄鉱石の安定供給に向けたアクションを推進してまいります。
予想される財務的影響 <財務的影響>中期・長期:ネガティブ小
(STEPSシナリオの場合には、中期・長期ともに中立)
NZEシナリオにおいては、鉄鋼業における電炉比率の増加に伴い鉄鉱石需要が減少する可能性があるものの、高炉法・電炉法の双方において需要が高まる高品位鉄鉱石への影響は軽微となる見込みです。上記のとおり、当社が保有する複数権益における生産物は、多くが高品位鉄鉱石となる予定であり、需要減少による影響は軽微若しくは回避可能であることを認識しています。

化学品事業

事業機会 化学品事業においては、脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会を認識しています。
機会詳細 ■グリーンケミカル商材における機会
脱炭素社会への移行に伴い、グリーンケミカル商材に対する需要が増大することを見込んでおり、当社グリーンケミカル販売事業において、グリーンケミカル商材の積極的な販促による収益増加の機会を認識しています。
<時間軸>中期・長期

■プロパン商材における機会
STEPSシナリオにおいてLNGの中長期的な需要増加が見込まれることに伴い、LNG液化プロセスにおいて冷媒として使用されるプロパンも需要が増加することを見込んでおり、プロパン販売事業における収益増加の機会を認識しています。
<時間軸>中期・長期
当期/翌期の財務的影響 当期・翌期における重大な財務的影響はありません。
戦略 ■グリーンケミカル商材における機会
バイオ化学品取扱のため、ISCC PLUS認証(国際持続可能性カーボン認証)を取得しており、顧客の需要及びそれに見合う形のサプライヤーを見つけるべく調査を実施してまいりました。今後も、社会の要請に基づき必要な認証があればさらに取得することとし、今後拡大することが予想される需要をタイムリーに把握し、それに対応するサプライヤーを見つけるべく、引き続き情報入手を進めてまいります。

■プロパン商材における機会
製造拠点を新規設立したことにより、LNG向けプロパン販売の機会を継続的に取り込むことができる事業基盤を構築しています。
予想される財務的影響 ■グリーンケミカル商材における機会
<財務的影響>中期・長期:ポジティブ小
(STEPSシナリオの場合にも、中期・長期ともにポジティブ小)

グリーンケミカル商材に対する需要増加は、NZEシナリオにおいてより顕著となる見通しです。

■プロパン商材における機会

<財務的影響>中期・長期:ポジティブ小
(STEPSシナリオの場合にも、中期・長期ともにポジティブ小)

LNG液化プロセスにおいて冷媒として使用されるプロパンの需要増加は、STEPSシナリオにおいてより顕著となる見通しです。

農業資材ディストリビューター事業

物理的リスク 農業資材ディストリビューター事業においては、農作物収量減リスクを認識しています。
リスク詳細 平均気温の上昇に伴い干ばつの発生可能性が高まる中で、干ばつが発生した場合、農作物収量減による農家の採算悪化に伴い、農業関連販売活動において、売上減少リスク及び貸倒引当金増加リスクを認識しています。
<時間軸>短期・中期・長期
当期/翌期の財務的影響 当期・翌期における重大な財務的影響はありません。
戦略・緩和策 売上変動に対する耐性を高めるべく、販管費の適切なコントロールや固定費構造の最適化を図るとともに、与信審査の厳格化、担保取得比率の向上に既に取り組んでおり、継続してまいります。
予想される財務的影響 <財務的影響> 短期・中期・長期:ネガティブ中
リスクが顕在化した際には、売上の減少及び貸倒引当金の増加が見込まれます。戦略・緩和策の実施に伴い、与信審査プロセスの高度化に伴う管理コストの増加、与信審査の厳格化に伴う販売機会の減少が見込まれますが、当該リスクの低減に取り組んでいます。

発電事業(石炭火力発電事業、ガス火力発電事業)

物理的リスク
移行リスク
発電事業においては、洪水による事業停止リスク及び脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスクを認識しています。
リスク詳細 ■洪水による事業停止リスク
平均気温や海水温度の上昇に伴い多雨等の天候不順の発生可能性が高まる中で、洪水が発生した場合、当社石炭火力発電所において、事業停止時の機会損失及び設備復旧費用の発生リスクを認識しています。
<時間軸>短期・中期

■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク
石炭火力発電については、先進国から段階的な縮小が進み、STEPSシナリオ及びNZEシナリオともに、今後大幅な需要の減少が見込まれています。また、ガス火力発電事業においても、STEPSシナリオにおいては需要の増加が見込まれる一方、NZEシナリオにおいては減少が見込まれています。
上記を踏まえ、石炭火力発電・ガス火力発電の需要低下に伴う事業規模の縮小及び座礁資産となるリスクが挙げられるものの、当社石炭火力発電事業及びガス火力発電事業においては、長期売電契約を締結しているため、需要減少に伴う財務的影響は限定的となる見通しです。
<時間軸>短期・中期・長期
  • 当社気候変動問題に対する方針に則り、2040年代後半にはすべての石炭火力発電事業から撤退するため、長期の時間軸において石炭火力発電既存事業は終了予定。
当期/翌期の財務的影響 当期・翌期における重大な財務的影響はありません。
戦略・緩和策 ■洪水による事業停止リスク
リスク顕在化時の損失に備え、操業保険を調達しています。

■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク
長期売電契約を締結しているため、石炭火力発電・ガス火力発電の需要減少に伴う財務的影響は限定的であるものの、発電事業所在国における環境規制・関連法則には適切に対応しており、脱炭素化を取り巻く動向は引き続き注視してまいります。
予想される財務的影響 ■洪水による事業停止リスク
<財務的影響> 短期・中期:ネガティブ中
当該リスクに対する戦略・緩和策として、上記に記載のとおり操業保険の調達に係るコストが発生しているものの、リスクが顕在化した際の損失は操業保険でカバーされるため、財務的影響は限定的となる見込みです。

■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク
<財務的影響> 短期・中期・長期:ネガティブ小
(STEPSシナリオの場合にも、短期・中期・長期ともにネガティブ小)

ガス火力発電については、総発電量に占める割合は中長期的には低下するものの、水素やCCUS等の新技術の活用によるCO2排出量の削減検討が進むとも考えられ、エネルギー・トランジションを進める上で、電力安定供給の観点からも引き続き重要な発電手段として一定の供給が求められることが考えられます。
上記のとおり、石炭火力発電事業及びガス火力発電事業ともに長期売電契約を締結しているため、需要減少に伴う財務的影響は限定的となる見通しで、発電事業所在国における環境規制・関連法則には適切に対応しており、当該対応費用についても長期売電契約の範囲であるため財務的影響は限定的です。

天然ガス・LNG事業(上流権益)

移行リスク 天然ガス・LNG事業(上流権益)においては、脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク及びカーボンプライシングによる財務インパクトを認識しています。
リスク詳細 ■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク
天然ガス・LNGの需要は、STEPSシナリオでは2030年代半ばまで堅調に拡大する一方、NZEシナリオでは中長期的に減少が見込まれており、当社LNG上流権益事業において、ガス需要が減少するリスクを認識しています。
<時間軸>中期・長期

■カーボンプライシングによる財務インパクト
参画先プロジェクトで生産されるLNGの主な販売先において、炭素税/炭素賦課金が導入された場合、事業の収益性を押し下げるリスクを認識しています。
<時間軸>中期
  • 長期の時間軸において、既存事業はプロジェクトの生産計画上、生産終了予定。
当期/翌期の財務的影響 当期・翌期における重大な財務的影響はありません。
戦略・緩和策 ■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク
既存プラントを活用した低コストでの追加開発の実施等により、既存資産の競争力の維持・向上に努めています。また、新規案件については各国の政策転換やカーボンプライシング導入等も考慮の上、中長期的な視点で戦略地域を絞り、LNGトレード、中下流事業を組み合わせた天然ガス・LNGバリューチェーンの構築による機会の最大化に取り組んでいます。引き続きCCS・CCUS等の低炭素技術導入や再生可能エネルギーとのベストミックスを図りながらカーボンニュートラル化社会への移行を支えるTransition Fuelの需要を確保し、エネルギーの安定供給へ貢献してまいります。

■カーボンプライシングによる財務インパクト
一部プロジェクトで生産するガス・LNGの一部は、事業所在国内向けに発電用途で供給しています。未だ電源構成の大半が石炭火力である地域において、本プロジェクトへの取り組みは各国のエネルギーミックス改善及びGHG排出量削減に寄与しています。さらには、現在実行中の拡張開発計画にはCCUSが含まれており、低炭素社会における既存資産の価値向上にも取り組んでいます。
また、上記とは異なる国におけるプロジェクトでは、GHG排出量が極めて少ないクリーンなFEEDガスを使用しLNGを生産しており、低炭素なエネルギー供給に貢献しています。
予想される財務的影響 ■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク
<財務的影響> 中期:ネガティブ小
(STEPSシナリオの場合には、中期:ポジティブ小)
  • 既存事業を採掘終了まで継続保有する前提としており、長期の時間軸において既存事業は終了予定。
低炭素社会への移行局面においては、石炭の代替としての発電燃料のほか、石油化学製品の原料やアンモニア、輸送用燃料として、天然ガス・LNGは引き続き重要な役割を果たす見込みです。短中期的には、特にASEANを中心に需要が増加すると見込んでおり、アジア大洋州(インド含)におけるビジネス機会の増加が期待されています。長期的には、再生可能エネルギー等の普及により、新興国における需要の増加は相殺され、需要は減少傾向になることが見込まれるものの、再エネ不稼働時のバランシング機能等、天然ガスは引き続き重要な役割を果たすと考えています。

■カーボンプライシングによる財務インパクト
<財務的影響>中期:ネガティブ大
一部プロジェクトにおいては、短期的には、販売先エリアでの炭素税/炭素賦課金の導入予定はないため、財政状態・財務業績への影響は見込まれておりません。製造プラントから排出されるCO2削減策としてCCUS実行に伴う支出は、プロジェクトの費用に含まれており追加コストは発生しない見込みです。また、上記とは異なる国におけるプロジェクトでは、製造プラントから排出されるGHG排出量の上限数量が設定されており、それを上回った数量についてはカーボンクレジットにてオフセットを予定しています。当該支出もプロジェクト費用に既に含まれています。
中長期的には、どちらのプロジェクトにおいても、主な販売先エリアで炭素税/炭素賦課金が導入された場合には、事業の収益性を押し下げるリスクを認識しています。

天然ガス・LNG事業(トレード)

移行リスク
事業機会
当社ガストレードにおいては、脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク、脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会及び低炭素製品への移行機会を認識しています。
リスク・機会詳細 ■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク
天然ガス・LNGの需要は、中長期的に、STEPSシナリオでは増加見込みであるものの、NZEシナリオでは減少が見込まれており、当社ガストレード事業において、ガス需要低下に伴う当期利益の減少リスクを認識しています。
<時間軸>長期

■脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会
化石燃料からの代替燃料として天然ガスの需要増加、AI向け電力需要を賄うガス火力発電需要向けの天然ガスの需要増加に伴い、ガストレード事業の収益が増加する機会を認識しています。
<時間軸>中期・長期

■低炭素製品への移行機会
ガストレードで培ったトレードノウハウが活かせる他商品でのトレード事業進出に伴い、ガス以外のトレード事業において、収益が増加する機会を認識しています。
<時間軸>中期・長期
当期/翌期の財務的影響 脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク及び脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会については、当期・翌期における重大な財務的影響はありません。
低炭素製品への移行機会については、既に電力・環境商品のトレード事業に進出済であり、当期において電力・環境商品のトレード事業における収益を認識しています。なお、翌期において資産及び負債の帳簿価額に与える重大な影響は見込んでおりません。
<当期の財務的影響>ポジティブ小
戦略・緩和策 ガストレード取引の拡大、ガストレード以外のトレード事業拡大に向けて、必要な組織体制整備・専門人員登用を進めています。
並行してガバナンス体制の強化も追求しつつ、従来の天然ガス・LNG、既に進出済の電力・環境商品に加え、ガストレードで培ったトレードノウハウが活かせる商品トレードへの進出により、トレード事業を拡大してまいります。
予想される財務的影響 ■脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク
<財務的影響> 中期:中立、長期:ネガティブ小
(STEPSシナリオの場合には、中期・長期ともにポジティブ小)
天然ガス・LNGの需要減少が見込まれるNZEシナリオにおいては、ガス需要低下に伴う当期利益減少リスクを認識しています。一方、上記「天然ガス・LNG事業(上流権益)」に記載のとおり、低炭素社会への移行局面においては、石炭の代替としての発電燃料のほか、石油化学製品の原料やアンモニア、輸送用燃料として引き続き重要な役割を果たす見込みです。

■脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会、低炭素製品への移行機会
<財務的影響>中期・長期:ポジティブ小
人員整備に伴い人件費は増加するものの、電力・環境商品に加え、トレードノウハウが活かせる商品トレードへの進出により、さらなる当期利益の積み上げを見込んでいます。

海洋油・ガス生産設備傭船事業

移行リスク 海洋油・ガス生産設備傭船事業においては、脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスクを認識しています。
リスク詳細 天然ガスの需要は、中長期的にSTEPSシナリオでは増加、NZEシナリオでは減少、石油の需要は、中長期的にSTEPSシナリオでは横ばい、NZEシナリオでは減少見込みです。 石油及びガスの需要減少や規制変化に伴う事業脆弱化リスクが挙げられるものの、当社海洋油・ガス生産設備傭船事業では長期傭船契約を締結しているため、需要低下に伴う財務的影響は限定的となる見込みです。
<時間軸>短期・中期・長期
当期/翌期の財務的影響 当期・翌期における重大な財務的影響はありません。
戦略・緩和策 上記のとおり、長期傭船契約を締結しているため、需要低下に伴う財務的影響は限定的となる見込みであるものの、事業所在国における環境規制・関連法則には適切に対応しており、脱炭素化を取り巻く動向は引き続き注視してまいります。
予想される財務的影響 <財務的影響> 短期・中期・長期:ネガティブ小
(STEPSシナリオの場合にも、短期・中期・長期ともにネガティブ小)

上記のとおり、長期傭船契約を締結しているため、需要低下に伴う財務的影響は限定的となる見込みです。

気候関連レジリエンス

上記のとおり認識している当社グループの見通しに影響を与え得る個別事業別の気候関連の各リスクに対して、戦略・緩和策に既に取り組んでおり、引き続き戦略・緩和策の計画を立てております。戦略・緩和策の実施に伴い、不確実性を減らし、リスクが顕在化した場合にも財務的影響の低減は可能と認識しております。また、当社の事業ポートフォリオは多岐にわたる複数の産業と地域に広く分散しており、当社グループの事業継続に与える影響は限定的であることを認識しております。また、上記のとおり認識しているすべての移行リスクについて、NZEシナリオにおける財務的影響の総額を踏まえた場合にも、脱炭素社会に移行する中で、当社グループの事業継続にはレジリエンスが担保されていることを認識しております。
なお、上記のとおり認識している当社グループの見通しに影響を与え得る個別事業別の気候関連の各機会に対しても、顕在化に向けた戦略を立てて取り組んでおり、当社グループの強みを核とした新たな成長を加速させてまいります。

株式会社ディ・エフ・エフ

3. リスク管理

事業ポートフォリオ全体における気候関連のリスク管理

事業ポートフォリオ全体における気候関連のリスクのモニタリング状況については、経営会議や取締役会に定期的に報告しています。経営会議や取締役会がリスクの状況を把握し、今後の管理・対応方針につき議論の上、経営の戦略的判断を可能にする体制を整えることで、事業ポートフォリオ全体において許容できないリスクがあれば、関連コーポレート部署と共同でエクスポージャーの削減を含む対応を検討する体制となっています。
事業ポートフォリオ全体における気候関連全般のリスク管理のプロセスについては、前報告期間から変更はありません。

個別事業におけるサステナビリティ関連のリスク管理

個別事業においては、新規事業を検討・実施する際の審査過程において、気候関連のリスクの評価や対応策の確認を行っています。事業実施に関する審査過程においては、気候関連のリスク及び機会に関する評価シートを各SBUが作成し、同一のセクターや国に属する先行事例等から、潜在的なリスク及び機会の発生可能性や顕在化時に生じる社会・環境、並びに自社事業に与える影響をSB自らが特定・評価した上で、サステナビリティ推進部が関連する外部情報を参照の上、レビューしています。全社投融資委員会は、特定・評価したサステナビリティ関連のリスク及び機会を踏まえ、対象事業の価値創造及び価値毀損に関する重要な対応策の検討・確認を行っています。

既存事業に関しても、当社グループが取り組むべき重要な社会課題とその解決に向けた一歩進んだ中長期のコミットメントとして特定した6つのマテリアリティとは別に、当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得る各事業における気候関連を含むサステナビリティ関連のリスク及び機会について、「潜在的な財務的影響の程度」及び「発生可能性」の2軸で総合評価の上、識別しています。
当社グループの各事業について、SASB基準に基づき、IEAが発行する「World Energy Outlook 2025」のシナリオ等を別途参照の上、バリューチェーン全体におけるリスク及び機会を検討しています。なお、2025年度の分析は、住友商事単体、連結子会社、火力発電事業・化石エネルギー権益事業及びScope3 多排出事業を取り扱う持分法適用関連会社を対象としています。

潜在的な財務的影響の程度 短期・中期・長期(※)の時間軸において、リスクが顕在化した際の財務的影響の程度について、閾値を設定の上、評価しています。
なお、定量化が難しい場合には、定性的要因(評判の毀損、ステークホルダーからの信頼損失等)についても考慮に入れています。
発生可能性 当社は、発生可能性を、過去のデータ、シナリオ分析、他社でのリスク顕在化事例等を用いて、閾値を設定の上、評価しています。
その他 評価の際には、関連リスクが一過性もしくは累積であるのか、また内部活動もしくは外部環境より生じるものかについても考慮しています。
  • 時間軸:短期 2026年、中期 2035年、長期 2050年

識別したリスク及び機会に対しては、各営業グループにおいて、定期的にモニタリングを実施し、課題がある場合はその事業の特性に応じて改善を進めます。当社グループの事業活動の影響について、地域住民やNGO等、ステークホルダーから問題の指摘を受けた場合は、実態を踏まえて、対話・協議を行い、改善に努めています。リスク及び機会のモニタリング状況と対応策・対応状況については、経営会議、取締役会に定期的に報告しています。

なお、当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得る各事業におけるリスク及び機会については、上記のプロセスにより、気候関連以外にも、自然資本、人的資本、ガバナンスにおいて識別しています。

また、当社グループにおいては、気候関連を含むサステナビリティ関連のリスクについて、他の種類のリスクと密接に関連していることを認識しており、当社の事業活動に伴うあらゆる不確実性をリスクと捉え、リターンとのバランスを前提とした当社グループの計画的かつ統合的なリスクマネジメントの枠内において管理しており、他の種類のリスクと比較して優先順位付けは行っておりません。

株式会社ディ・エフ・エフ

4. 指標及び目標

当社グループカーボンニュートラル化目標

当社グループは、「気候変動問題に対する方針」及び「マテリアリティ」に係る長期・中期目標を制定し、2050年に当社グループのカーボンニュートラル化を推進するとともに、社会のカーボンニュートラル化に貢献していくことを目指しています。
カーボンニュートラル化対象範囲であるScope1・2及びScope3(Category13及び15)については、2024年度を基準年として、長期目標として2050年カーボンニュートラル化、中間削減目標として2035年度に排出量の総量を基準年度比30%(内訳:Scope1・2 85%、Scope3(Category13及び15) 20%)以上削減を目指しています。2050年カーボンニュートラル化とは、当社グループのGHG排出を削減した上で、炭素除去など国際的に認められた方法により、残余排出量を実質ゼロとすることを指します。なお、カーボンニュートラル化は、CO2のみならず、メタン、一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン類、六ふっ化硫黄、三ふっ化窒素を含むGHGを対象範囲としています。
当該目標は、当社グループとして、パリ協定及び関連する世界的な合意を重視し、同協定に掲げられた社会のカーボンニュートラル化目標の達成に、より積極的な役割を果たすことを目的としています。 排出削減目標達成に向け、設備の省エネルギー化や入替え、再生可能エネルギーの調達等、各現場の事業環境に合わせた着実な削減努力を続けていきます。
当社グループの気候関連目標のレビューは、経営会議を経た上で、取締役会にて行っています。当社グループの気候関連目標の進捗モニタリング指標としては、Scope1・2、Scope3(Category13及び15)の推移となっています。
なお、2050年カーボンニュートラル化達成に向けて、「火力発電事業及び化石エネルギー権益事業」は、当社グループが排出削減を進める重点領域であり、両事業の排出量は、当社の投融資姿勢を各ステークホルダーに伝える重要な情報と捉えています。GHGプロトコルに基づく新たなカーボンニュートラル化対象範囲においては、両事業のすべての排出量を捕捉できないこと(※)を踏まえ、年度ごとの両事業の排出量についてもモニタリング及び開示を継続しています。

  • 火力発電事業及び化石エネルギー権益事業の合計排出量(2024年度排出量合計50百万t-CO2e)の約7割は、新たに設定する「Scope1・2及びScope3(Category13及び15)」の対象範囲に含まれるが、約3割は当社グループが少数株主として投資する事業におけるサプライチェーン上の排出量であるなどの理由により、当社Scope1・2・3の対象範囲外となるもの。

【カーボンニュートラル化目標】

<Scope1・2>
基準年度:2024年度7.2百万t-CO2e
中間目標:2035年度0.8百万t-CO2e(基準年度比85%減)
長期目標:2050年カーボンニュートラル化

  • 2035年度の排出量目標値である0.8百万t-CO2eは、2019年度のScope1・2の合計1.5百万t-CO2eに対し50%以上の排出削減となり、2019年度を基準年としていた従前の中間目標を維持した水準となります。
  • 2024年度のScope1・2は2019年度比約6百万t-CO2e増加していますが、2019年度には建設中であったVan Phong火力発電所(当社100%保有)が、2024年度に稼働開始したことによるものです。同発電所は持分の50%譲渡が決定しており、譲渡後はScope3 Category15にて持分相当の排出量を認識する予定です。

<Scope3(Catagory13及び15)>
基準年度:2024年度38百万t-CO2e
中間目標:2035年度30百万t-CO2e(基準年度比20%減)
長期目標:2050年カーボンニュートラル化

  • 2024年度時点では、Scope3の大半は火力発電事業による排出ですが、地域社会における経済や産業の発展に不可欠なエネルギーを安定的に供給するとともに、経営資源をより環境負荷の低い発電ポートフォリオに継続的にシフトする方針です。
  • 2035年度の排出量見込みは、Van Phong火力発電所の持分の50%譲渡後の排出量を含みます。

当社グループ カーボンニュートラル化対象 GHG排出量(速報値)

(単位:千t-CO2e)

  2024年度
(基準年度)
2025年度 増減 削減率
(基準年度比)
Scope1 6,666 6,799 +133 2.0%
Scope2 490 485 △5 △1.0%
Scope3 Category13 リース資産
(下流)
20,052 18,707 △1,345 △6.7%
Category15 投資 17,778 16,305 △1,473 △8.3%
  1. 確定値については、後日、当社HPに掲載予定です。
  2. 集計対象範囲は、以下のとおりです。
    Scope1・2:GHGプロトコル(2004)の経営支配力基準に基づく、当社単体、連結子会社及び共同支配事業
    Scope3:当社単体、及び連結子会社(ただし、重要性の観点より、事業収益規模が小さくかつ多排出事業に該当しない一部事業会社を除く)
  3. Scope1の数値には、エネルギー起源CO2とエネルギー起源CO2以外のGHG排出量を含みます。
  4. Scope1・2の算定にあたっては、GHGプロトコルを参考に策定した会社方針に基づき算定しています。また排出原単位は、環境省が公表する温室効果ガス排出量算定・報告公表制度の排出係数を使用しているほか、IEAが発行する「Emissions Factors 2025」に掲載された2023年の国別の排出係数等を使用しています。
  5. Scope3の算定にあたっては、GHGプロトコル「Corporate Value Chain(Scope3) Accounting and Reporting Standard」、及び環境省が主導するグリーンバリューチェーンプラットフォームの各種情報源を参照しています。また、算定時点で入手可能な最新の実績値、経済データ及び係数をもとに算定しています。なお、排出原単位として利用している主なデータソースは、以下のとおりです。
    Category13:合理的な仮定に基づく使用シナリオにより設定した排出原単位
    Category15:サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量等の算定のための排出原単位データベース

火力発電事業及び化石エネルギー権益事業に伴うCO2排出量(※1)

(単位:千t-CO2e)

指標 2019年度
(基準年度)
2024年度 2025年度 削減率
(基準年度比)
火力発電事業(※2) 43,126 38,612 37,322 △13.5%
  うち、石炭火力発電事業(※2) 34,452 32,429 31,722 △7.9%
化石エネルギー権益事業(※3) 15,808 11,564 11,320 △28.4%
  うち、一般炭鉱山開発事業 12,538 10,248 9,938 △20.7%
  1. 発電事業の稼働済案件、及び化石エネルギー権益に係る実績は第三者機関のアドバイスを受けて算定。
  2. 建設中案件の推計値及び持分法適用関連会社の排出も含む。
  3. 生産されたエネルギー資源の、他社の使用に伴う間接的CO2排出を算定。

石炭関連事業の取り組み方針

  • 石炭火力発電事業
    新規の発電事業・建設工事請負には取り組まず、2035年度までにCO2排出量を60%以上削減(2019年度比)し、2040年代後半にはすべての事業を終え石炭火力発電事業から撤退します。
    ホスト国・地域社会等のステークホルダーとの真摯な対話を踏まえた合意形成、既存設備の脱炭素化・低炭素化に向けた検討・取り組みの追求、再生可能エネルギー等への電源シフトに向けたホスト国への最大限の支援等を行いながら、事業撤退の前倒しも排除せずあらゆるオプションを追求し、当社及び社会全体の脱炭素化を図ります。
  • 一般炭鉱山開発事業
    今後新規の権益取得は行わず、持分生産量を2020年代後半にゼロにします。

気候関連のリスク及び機会に該当する事業の総資産実績総額及び全体に占める割合

当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得る気候関連の物理的及び移行リスクに対する脆弱な資産、及び当社グループ全体の総資産に占める割合は以下のとおりです。物理的リスクに対する脆弱な資産は物理的リスクに該当する事業の総資産を、移行リスクに対する脆弱な資産は移行リスクに該当する事業の非流動資産を対象としています。なお、移行リスクに対する脆弱な資産について、当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得る移行リスクのうち、予想される財務的影響が限定的とされる事業は対象外としています。
また、当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得る気候関連の機会と整合した総資産、及び当社グループ全体の総資産に占める割合は以下のとおりです。

  • 物理的リスク ・・・ 564,893 百万円 (当社グループ全体に占める割合 4.1%)
  • 移行リスク ・・・ 796,029 百万円 (当社グループ全体に占める割合 5.8%)
  • 事業機会 ・・・ 328,956 百万円 (当社グループ全体に占める割合 2.4%)

<2026年3月31日時点>

気候関連のリスク及び機会に対応する資本投下

当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得る気候関連のリスク及び機会について、それらに対応する重要な資本投下はありません (2026年3月31日時点)。
なお、当社は、当社グループが進めるサステナビリティ経営を幅広いステークホルダーの皆さまに認識いただくとともに、資金調達面においても推進することを目的に、サステナブルファイナンス・フレームワークを策定しています。詳細は、当社ウェブサイトの「サステナブルファイナンス」ページを参照ください。

発電事業 持分発電容量

(MW)

  2026年3月末時点
石炭火力 5,172
ガス火力 2,525
再生可能エネルギー(※) 2,227
全体 9,927
  • 住友商事51%出資のファンド運営会社が運営するファンドが保有する持分容量を含みます。なお、再生可能エネルギーの持分発電容量については、2019年(基準年度)の1,397MWから、2030年に5,000MW以上に拡大することを目標としています。

内部炭素価格

2023年4月より、当社内で内部炭素価格制度(ICP)を運用し炭素排出コストを算出しています。カーボンニュートラル社会の実現に資する新たな事業機会創出に向けた全社の施策検討や投資判断時の将来事業への影響等の確認に活用しています。
当社ICPにおいては、IEAが発行するWorld Energy Outlook 2024のNZEシナリオの炭素価格の見通しを使用し、新規及び既存案件の所在地に応じたシナリオ分析を行っています。

<当社ICPにおける炭素価格>

(単位:米ドル/t- CO2)

2035年 2040年 2050年
ネットゼロ公約済み先進国 180 205 250
ネットゼロ公約済み新興国・発展途上国 125 160 200
ネットゼロ未公約の特定の新興国・発展途上国 50 85 180
その他の新興国・発展途上国 25 35 55
株式会社ディ・エフ・エフ

5. 取り組み事例

6カ所の太陽光発電所、3カ所の風力発電所を運営

太陽光、風力、バイオマス、地熱といった再生可能エネルギーを使用する発電所の中で、いま日本で最も発電量が多いのは太陽光発電です。メガソーラーと呼ばれる大規模な太陽光発電所の建設が各地で始まったのは、再生可能エネルギー固定価格買取制度がスタートした2012年のことでした。

住友商事は、1990年代から、家庭用ソーラーパネルに利用されるポリシリコンなどの素材を海外から輸入する一方、日本のメーカーが製造したソーラーパネルを海外に輸出するビジネスも手掛けていました。

その後、欧州、米国でのメガソーラー事業へ参画し、2012年以降、日本国内での太陽光発電事業に乗り出しました。現在は全国6カ所で太陽光発電事業を運営しています。

風力発電所の建設が国内で本格的に始まったのは、太陽光発電よりも早い2000年代初頭でした。当社は風力発電の黎明期(れいめいき)である2004年に風力発電所の運営を開始。2025年4月には、それまで茨城県鹿嶋市と秋田県男鹿市で運営を続けてきた2カ所に加えて、福島県阿武隈地域で国内最大級となる陸上風力発電所が商業運転を開始しました。

サミットウインドパワー鹿嶋風力発電所写真
鹿島灘に面した埋立地一帯に立地。風車のタワーには、鹿島アントラーズや企業ロゴが掲示(サミットウインドパワー鹿嶋風力発電所)
男鹿風力発電所写真
男鹿市は年間平均風速が毎秒6メートルを超える場所が多く、風力発電に適している(男鹿風力発電所)

阿武隈風力発電事業を通じて「福島を再生可能エネルギー先駆けの地」へ

2025年4月には、福島県再生可能エネルギー推進ビジョンおよび福島新エネ社会構想の下、2022年4月より建設を進めてきた、阿武隈風力第一発電所、阿武隈風力第二発電所、阿武隈風力第三発電所、阿武隈風力第四発電所(以下総称して「阿武隈風力発電所」)がFIP制度(※1)に基づく商業運転を開始しました。

阿武隈風力発電所は、福島県田村市、大熊町、浪江町、葛尾村にまたがる阿武隈地域の稜線上に1基当たりの出力が3,200キロワットの風力発電機を46基設置した、国内最大級の陸上風力発電所です。総発電容量は約14万7,000キロワットとなり、年間想定発電量は約12万世帯分の消費電力量に相当します。

阿武隈風力発電所で発電した再生可能エネルギー電力は、コーポレートPPA(※2)により福島県内に事業拠点を持つ複数の企業および自治体へ供給され、売電収入の一部は福島県再生可能エネルギー復興推進協議会を通じて発電所が立地する市町村などにおける地域の復興事業資金として活用されます。

今後も発電所の安定的な運営と地域への還元を通じ、福島県内のエネルギー需要量の100%以上に相当する量の再生可能エネルギーを生み出す「再生可能エネルギー先駆けの地」の実現と復興支援に取り組んでいきます。

  1. フィード・イン・プレミアム(FIP)制度。再生可能エネルギーの発電業者に対して電力を販売した時価格に一定の補助額(プレミアム)を付与することで、事業者の投資インセンティブを促し、再生可能エネルギーをさらに普及促進することが目的の制度。卸売電力市場もしくは各需要家に対し直接電力を販売する
  2. PPAはPower Purchase Agreement(電力購入契約)の略。企業が再生可能エネルギー電力を発電事業者から長期にわたって購入する契約
阿武隈風力発電所

南相馬の太陽光発電所を福島復興のシンボルに

太陽光発電の最も新しい取り組みは、東日本大震災で大きな被害を受けた福島県南相馬市での発電容量92メガワットの大型メガソーラーの開発です。津波による大規模被害を受け、地盤が沈下した沿岸一帯の土地を有効活用するために、震災1年後の2012年に地元自治体などの協力を得て、発電所建設の計画に着手しました。その後、幾多の障害を乗り越えて、第一期工事は18年3月、第二期工事は18年12月より商業運転を開始しています。

福島県は、40年を目途に県内のエネルギー需要を100パーセント再生可能エネルギーでまかなう目標を立てています。東京ドーム32個分に相当する広大な土地に設置された2つの太陽光発電所は、同目標の推進力となるばかりでなく、いまだ途上にある被災地復興のシンボル的存在でもあります。

建設した発電所を長期にわたって運用し、固定価格買取期間が終了したのちも、環境に優しくコスト競争力のある電力を社会に継続的に供給していく。それが住友商事のビジョンです。実現のために最も重要なのは、地元の人々との信頼関係です。地域住民に受け入れられ、長く愛される施設となって、初めて、数十年にわたる長期運用が実現可能となります。

第一期工事・真野右田海老発電所写真
第一期工事・真野右田海老発電所
第二期工事・原町東発電所写真
第二期工事・原町東発電所

グループ内連携で最適な電力マネジメントを実現する

太陽光発電や風力発電は、気象状況によって電力供給が左右されるという弱点があります。その弱点をカバーし、電力供給を安定化させるために、蓄電池等を活用し、最適な電力マネジメントを実現していくこと。さらに、グループ内で大型バイオマス発電所を保有・運営し、その電気を使って電力小売ビジネスを手掛けるサミットエナジーなどと連携しながら、需要家に継続的かつ安定的に電力を届けていくことが、これからの住友商事の再生可能エネルギー事業の目標です。

第2期工事・原町東発電所写真
現地での定例会では、関係会社でパネル点検を実施(第2期工事・原町東発電所)

新たな再生可能エネルギー発電所を開発中

日本政府は、2040年に国内電力消費における再生可能エネルギーの比率目標を40~50パーセントとしました。当社グループは、カーボンフリーエネルギーの開発・展開を進め、30年までに再生可能エネルギー供給を500万キロワット以上とする中期目標を掲げています。目標達成に向け、新たな再生可能エネルギー発電所の開発を日本国内で進めています。

そして、注目されている国内洋上風力発電については、経済産業省/国土交通省が実施する再エネ海域利用法に基づく洋上風力事業者選定の入札において、23年12月に長崎県西海市江島沖案件の事業者に選定されました。29年8月の商業運転開始に向け、各種調査・設計業務等を進めていますが、様々な漁業振興策や地域振興策も実施し、地域と一体となった事業を目指しています。

当社は今後もこれまで長年にわたり積み重ねてきた太陽光、風力、バイオマス発電の運営経験を生かし、日本における再生可能エネルギー発電の発展や持続可能な社会の実現に貢献していきます。

株式会社ディ・エフ・エフ

インドネシアの電力供給を支える地熱発電

気象の影響を受けにくい再生可能エネルギー

地熱発電は再生可能エネルギーを利用した発電方法の一つであり、基本的な仕組みは、火山の地下などにあるマグマの熱によって温められた地下水の蒸気でタービンを回し、発電を行うというシンプルなものです。化石燃料を必要としないため環境負荷が低く、燃料市況に電力価格が左右されないこと、太陽光や風力発電など気象の影響を受けやすい他の発電方法と比べて、安定した電力を得られることなどが大きな特徴です。

一方で、地熱発電は地中深く井戸の掘削を進めなければ、発電に利用できる十分な蒸気が得られるかどうか分からないというリスクを伴っています。実際2,000~3,000メートルの井戸を掘り進めたのちに、十分な蒸気が得られないことが分かり、発電プロジェクトが頓挫してしまうこともあります。地表からの調査ノウハウ、掘削開発のための資金と時間、さらには多少の運を必要とするのが地熱発電事業なのです。

ウルブル発電所写真
ラヘンドン発電所写真
ウルブル生産井からの集蒸気配管(左はウルブル発電所、右はラヘンドン発電所)

世界第2位の「地熱大国」インドネシア

発電インフラのビジネスモデルは、大きく「EPC」と「IPP」の2つに分けられます。EPCとは、発電所の設計(Engineering)、調達(Procurement)、建設(Construction)を受託する建設工事請負のことです。EPCでは、通常完成した施設を現地政府や企業に納入した時点で完了します。IPPは独立系発電業者(Independent Power Producer)を意味し、事業者は発電施設のオーナーとなって継続的に売電を行います。

住友商事は、将来の電源多様化を見据え、地熱発電が大型化・実用化された黎明期から着目し、1970年代に関連設備の納入を開始しました。世界第2位の地熱資源を有するインドネシアでは、1995年に地熱発電への取り組みを開始し、1997年に初の地熱発電所EPC案件を受注、今日まで計12案件(計17ユニット/総発電量約900メガワット)に関わってきました。これは、同国における地熱総発電容量の約40パーセントを占め、日本の総合商社ではトップの実績です。

当社が多くの受注実績を持つ要因の一つに、パートナーシップの力があります。当社は地熱発電所用蒸気タービン製造の最大手である富士電機との協業に加えて、土木・据え付け工事や現地調達を担当するインドネシアのレカヤサの協力を受けて、数々の地熱EPC案件を成功させてきました。当社が近年手掛けた代表的なEPCには、スラウェシ島北部のラヘンドン地熱発電所、スマトラ島南部のウルブル地熱発電所などがあります。

ウルブル発電所写真
ラヘンドン発電所写真
地熱発電所の多くは、山奥の未開の地。ウルブル発電所があるスマトラ島では、スマトラタイガーと遭遇する恐怖とも戦った(左はウルブル発電所、右はラヘンドン発電所)

粘り強く進めたIPPプロジェクト

インドネシア初となる当社の地熱IPPプロジェクトは、2011年にスタートしたスマトラ島西部のムアララボ地熱発電事業です。

地熱発電所の建設は、一般に火山近くの未開の地で、手つかずの山地を切り拓くところから実際の開発はスタートします。とりわけムアララボは、最も近い空港から陸路で4~5時間を要する極めてアクセスの悪い場所です。12年3月、当社がパートナーと共に出資する現地事業会社はインドネシア国営電力会社と30年間の長期売電契約(PPA)を締結し、インドネシア財務省からの政府保証を得たのち、現地で試掘開発に着手しました。

しかし、試掘の結果、当初見通しより発電規模を縮小せざるを得ない事態となり、政府および国営電力会社とプロジェクトの諸条件について再交渉を行いました。再交渉の妥結には2年弱を要しましたが、政府・国営電力会社・事業者がお互いに納得できる内容で合意することができ、その後発電所建設のファイナンス組成に取り組みました。最初のPPA締結から5年後の17年3月にようやくファイナンスクローズを達成し発電所の建設を開始しました。

この発電所建設において、当社はEPCも請け負いました。「当社にとってインドネシア初の地熱IPPプロジェクトを期限通りに完工して、インドネシアの電力供給に貢献する」という目標に向け、他のIPPプロジェクトで培った事業者としてのノウハウのみならず、豊富な地熱EPCの経験も生かし、当社電力ビジネスの総合力をもって完工を目指しました。そして、19年12月、無事商業運転を開始することができ、今日まで安定操業を継続しています。

インドネシアにおいて日本企業が試掘前の最も初期の段階から海外地熱鉱区を開発した前例はなく、インドネシア国内の制度が未整備な中でプロジェクト諸条件の交渉やファイナンス組成に時間がかかりましたが、無事に発電所の完工を実現し、次のプロジェクトにつながる土台を築くことが出来ました。

本プロジェクトの開発過程で余剰蒸気が確認されたことから、現在隣接地に同規模の発電所を建設する拡張プロジェクトを進めています。数年間に及ぶインドネシア国営電力会社とのPPA諸条件の改定交渉を経て、24年12月に改訂PPA締結、25年4月にファイナンスクローズを達成し、発電所増設工事を開始しました。27年10月の商業運転開始を目指しており、商業運転開始後は、インドネシア国営電力会社へ2052年末まで約25年にわたって売電し、既設発電所と合わせ約90万世帯相当分の電力供給に貢献する見込みです。

また、現在当社は同じスマトラ島における次の地熱IPPプロジェクトであるラジャバサ地熱発電事業の開発も進めています。

ムアララボ発電所の生産井掘削現場写真
ムアララボ発電所の生産井掘削現場と全景
ムアララボ発電所の生産井掘削全景写真

2030年までに地熱発電容量を2.5倍に

世界第4位の2億7,000万人を超える人口を擁し、年率5パーセント前後の経済成長を続けるインドネシアでは、再生可能エネルギーへのシフトと安定的な電力供給が国家的な課題となっています。インドネシアが有する豊富な地熱資源を利用した地熱発電は、この2つの課題を同時に解決する有効な手段として認識されており、同国政府は、現在の2,400メガワットの地熱発電容量を、2030年までに5,800メガワットに増やす計画を立てています。そして当社には、過去20数年間に及ぶ地熱発電所建設とムアララボ地熱発電事業の経験を生かし、この計画の実現に寄与していくことが期待されています。

地熱発電事業には、他の電源開発にはない特有のリスクが存在します。当社はこれまでに蓄積してきた知見・ノウハウをもとに、政府系機関、金融機関などと連携し、リスクをマネージしながらインドネシアの低炭素化社会の実現に寄与していきます。

地元民との交流写真
地元民との交流写真
地元民との交流写真
現場では良好なコミュニケーションが非常に大切。地元民との交流や現地での雇用にも力を入れている
株式会社ディ・エフ・エフ

欧州における数々の洋上風力発電プロジェクトに参画

欧州で急速に導入が進む洋上風力発電

EUは、2030年までに域内のエネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合を少なくとも42.5パーセントにまで高めるという目標を掲げています。中でも欧州で急速に導入が進んでいるのが、海上に設置した巨大な風力タービン(風車)で電気を起こす洋上風力発電です。ノルウェー、デンマーク、ドイツ、オランダ、ベルギー、フランス、英国などに囲まれた北海を中心とした海域における風力発電所建設が、現在急ピッチで進められています。

洋上風力発電の最大のメリットは、風を遮る山や建物が一切ないことです。そのため、風の力を効率よく発電に結び付けられるだけでなく、発電量の予測も立てやすいという特長があります。

また、施設を建設できる広大なスペースがあることから、制約の多い陸上と異なり、大型風車の輸送が容易であることも洋上風力発電の大きなメリットです。特に北海は、沖合40キロメートル以上まで遠浅が続く、風力発電所建設に非常に適した地形を持ちます。

洋上の風車写真
白鷺(しらさぎ)との別名を持つ、洋上の風車

ベルギーで4つのプロジェクトに参画

住友商事が洋上風力発電事業に参入したのは2014年にさかのぼります。

ベルギーでは、当時稼働中・建設中・開発中の案件であった「ベルウインド」「ノースウインド」「ノーベルウインド」「ノースウェスター2」にそれぞれ事業参画しました。これらの巨大な風車群を建設し運転するには、安定した資金力に加え、プロジェクトを確実に遂行するマネジメント力、オペレーション力が求められます。当社は、火力発電所の建設・運転の経験、さらに北米、中国、南アフリカにおける陸上風力発電事業のノウハウを生かして、ベルギーで洋上風力発電プロジェクトを成功させてきました。

洋上の風車写真
据付船に降り注ぐ北海の朝日。昼夜問わずに建設は進む
洋上に凛とそびえ立つ変電所写真
洋上に凛(りん)とそびえ立つ変電所

欧州で拡大するプロジェクト参画 ベルギーから英国、そしてフランスへ

欧州における住友商事の洋上風力発電事業の拠点は、ドイツのデュッセルドルフを中心とし、英国のロンドン、フランスのパリにあります。当社は、発電事業者として現地にしっかり根を下ろしながら、総合商社ならではのネットワークを駆使して情報を集め、常に新規事業の可能性を探ってきました。

2016年、17年と英国での洋上風力発電プロジェクト「ギャロパー」「レースバンク」に立て続けに参画できたのも、ベルギーでのプロジェクトが評価されたことに加えて、現地での地道な活動があったからです。ベルギーのプロジェクトを上回る大規模な英国の2つの風力発電案件は、「レースバンク」が18年3月、「ギャロパー」が9月に完工、その運転フェーズにおいても、ベルギーでの経験が生かされています。これに引き続き、当社は「ギャロパー」の拡張案件である「ファイブ・エスチュアリーズ」の開発に取り組んでいます。

18年にはベルギー、英国に引き続き、フランスでも洋上風力発電プロジェクト「ル・トレポール」「ノワールムーティエ」に事業参画しました。「ル・トレポール」は英仏海峡洋上沖合約15キロメートル、「ノワールムーティエ」はフランス・ビスケー湾沖合約12キロメートルの海域において開発を進め、2023年4月には両件ともにファイナンスクローズ(※)を達成、現在運転開始に向けた工事を進めています。この両プロジェクトの総発電容量は合計約1GWで、約160万人分に相当する電気を供給します。

このように欧州の洋上風力発電市場は年々拡大の基調にあります。今後、将来の普及が見込まれる浮体式洋上風力発電プロジェクトも含め、欧州各国でのプロジェクトに参画し、事業を拡大させていくことが当社の目標です。発電の安定性を高めながら、コスト面での優位性を追求し、欧州市民に向けて電力を継続的に供給していくことを目指しています。

  • 「ファイナンスクローズ」:プロジェクトへの融資契約を締結し、貸し出しに関する要件を満たすこと
洋上の風車写真
時に海は厳しい顔を見せるが、それでも風車は回る

アジア地域での展開の可能性も

欧州以外の地域では、アジア、オセアニア、北米も洋上風力発電の好適地として世界から注目されています。

アジアでは、風力資源の豊富な広い海洋があるという地形上の利点があり、政府が再生可能エネルギーを重視する姿勢を鮮明に打ち出している日本に加え、ベトナム等も注目を集めています。当社が2023年に経済産業省および国土交通省より事業者として選定された、長崎県西海江島沖における洋上風力発電事業においても、これまでの欧州での洋上風力発電事業の経験を最大限活かし、開発を進めています。

洋上の風車写真
時間の移り変わりともに、さまざまに表情を変える風車

再生可能エネルギー事業拡大に向けたファンドの設立

住友商事は、2018年4月より火力発電および再生可能エネルギーを統合し、電力事業にトータルで取り組む体制をグローバルに整備しました。未来に向けて地球環境と共生し、社会に貢献できるエネルギー事業を確立していくこと。それが当社の電力事業の目標です。

19年、住友商事、三井住友銀行および日本政策投資銀行は、共同で出資するファンド運営会社であるスプリング・インフラストラクチャー・キャピタル(SIC)を通じて、1号ファンドを設立しました。日本初の海外洋上風力発電事業投資ファンドであるこのファンドでは、当社が参画する英国の洋上風力発電所をシードアセット(ファンドの投資対象資産)として組み入れました。また22年には2号ファンドを設立し、国内太陽光発電所をシードアセットとして組み入れています。

SICを通じて、機関投資家に対して国内外の再生可能エネルギー発電資産への投資機会を提供するとともに、再生可能エネルギーを中心とした世界のインフラ整備に貢献していきます。

環境との共生と、電力に支えられた快適で心躍る生活を両立させるために、当社は再生可能エネルギー事業を力強く推進していきます。

株式会社ディ・エフ・エフ

サステナブルな木材資源をグローバル市場へ

自ら森林を経営して世界のカーボンニュートラル実現へ貢献

木材は計画的に伐採と育林を繰り返すことで、永久に再生が可能な循環資源。人間にとっては最も身近な資源の一つでもあります。住友商事の木材ビジネスは、日本に木材を輸入して高度経済成長を支えたことから始まりました。2000年代には森林経営にもビジネスの幅を広げ、よりサステナブル(持続可能)な森林資源の確保と活用に取り組んできました。

さらに、自ら経営する森林から生み出される木材製品の供給を、市場が成熟し、大きな成長が期待しにくい日本だけではなく、今後の拡大が見込まれる世界各国へと広げています。

森林にはCO2を吸収し固定する機能があり、適切な管理・伐採を通じて世界のカーボンニュートラルに貢献できます。当社が保有・管理する森林でも環境に配慮した伐採活動を実施しており、持続可能な森林経営を行っています。今後は、これまで培ってきた森林経営に関する知見・ノウハウを活用しながら、さらにグローバルな森林資源拡大に取り組んでいきます。

ニュージーランドの木材輸出港写真
ニュージーランドの木材輸出港

ニュージーランドでは植林によるサステナブルな森林経営を実現

当社は2013年3月に、ニュージーランドの森林を獲得し、サミット・フォーレスト・ニュージーランドとして事業展開しています。ニュージーランド北島にある、約5万ヘクタールの森林で育つラジアタパインと呼ばれるマツの原木が、中国をはじめとしたアジア地域に向けて輸出されています。

森林の経営は、間引きや枝打ちといった育林の手間や、山火事や暴風被害などのリスクも抱えます。さらに伐採した木材を運び出すための、道路や港などのインフラ整備も必要となるにもかかわらず、当社があえて自ら森林経営に携わるのは、長期にわたって木材の安定供給を維持するためです。

ニュージーランドの森林で生息する野生の馬の写真
生態系に配慮して経営するニュージーランドの森林では野生の馬が生息する

サミット・フォーレスト・ニュージーランドでは、木を“植えて、育てて、伐採する”、地球環境に配慮した木材資源の供給が、30年サイクルで行われています。

この森林では、これまで林業に従事してきた地元住民を雇用。森をよく知る彼らにより、伐採や植林、育林などの作業が効率よく分業され、1年間に約60万立方メートル(25メートルプール約900個分)の木材を出荷しています。野生の馬が木々の間を駆け抜ける、そんな自然の姿が保たれているのも特長です。

木材の単なる売買ではなく、その土地にしっかりと根づいた手法で森林経営を行う当社の姿勢は、現地でも高く評価されています。また、植林地における地形の把握や伐採面積の確認といった伐採オペレーションにドローンや衛星写真を活用するなど、先進技術も積極的に取り入れています。

ニュージーランド北島の林区の写真
ニュージーランド北島の林区保有面積は約5万ヘクタールと広大
株式会社ディ・エフ・エフ

再生可能エネルギー関連事業

中長期的にエネルギー供給の担い手として成長が期待される再エネによる発電事業に参画し、気候変動の緩和に貢献しています。

(2025年3月31日現在)

燃料 発電所 発電容量(MW)
太陽光 大阪ひかりの森プロジェクト 日本 10.0
ソーラーパワー西条 日本 29.0
ソーラーパワー北九州 日本 16.0
ソーラーパワー苫小牧 日本 15.0
ソーラーパワー南相馬・鹿島 日本 59.9
ソーラーパワー南相馬・原町 日本 32.3
EVM/EVM2 スペイン 14.0
タンロン工業団地・第二タンロン工業団地・第三タンロン工業団地 ベトナム 25.1
風力 男鹿風力発電所 日本 28.8
サミットウィンドパワー(鹿嶋) 日本 20.0
阿武隈風力発電所 日本 147.2
大唐中日(赤峰)新能源 中国 50.0
Stanton Wind Energy 米国 120.0
Cimarron ⅡWind 米国 131.1
Ironwood Wind 米国 167.9
Dorper Wind 南アフリカ 100.0
Mesquite Creek Wind 米国 211.2
Amunet エジプト 500.0
洋上風力 Northwind ベルギー 216.0
Nobelwind ベルギー 165.0
Northwester2 ベルギー 219.0
Galloper イギリス 352.8
木質バイオマス サミット半田パワー 日本 75.0
サミット明星パワー 日本 50.0
サミット酒田パワー 日本 50.0
仙台港バイオマスパワー 日本 112.0
地熱 Muara Laboh インドネシア 85.0
水力 CBK フィリピン 792.0
株式会社ディ・エフ・エフ

国内外不動産事業における環境関連認証の取得およびグリーンボンドの発行

当社不動産事業では、環境・社会・ガバナンス(以下「ESG」)に係る基本的な方針を定め、実践しています。その一環として、CASBEE、BELS等の不動産環境性能評価を取得したオフィスビル、物流施設の調達資金を中心に、2024年度より当社サステナブルファイナンス(※)への充当も開始しました。
また、当社グループの住商リアルティ・マネジメント(株)では、SOSiLA物流リート投資法人をはじめとする同社運用中ファンド物件において、CASBEE、DBJ Green Building、LEED、BELS等の不動産環境性能評価を取得、SOSiLA物流リート投資法人(以下「本投資法人」)としても、2024年に実施されたGRESBリアルエステイト評価において「5スター」、ESG情報開示の充実度を測るGRESB開示評価において「A」評価を取得しました。本投資法人は、J-REIT初の取り組みとして、IPO当初からグリーンファイナンス・フレームワークの策定を行う等、グリーンファイナンスによる資金調達を通じて、ESGに配慮した資産運用を推進しています。ESG投融資に関心を持つ投資家層の拡大を通じた資金調達基盤の強化を目指すため、2022年7月に16億円、2023年6月に30億円のグリーンボンドを発行しました。グリーンファイナンスで調達した資金は、以下のいずれかの適格クライテリアを満たすグリーン適格資産の既存若しくは新規資産の取得資金(取得予定を含む)、グリーン適格資産の改修工事資金またはそれらに要した借入金(グリーンローンを含む)・投資法人債(グリーンボンドを含む)の返済・償還資金に充当されます。

<適格クライテリア>

  • グリーンビルディング
    下記のいずれかの認証を取得済又は今後取得予定の物件
    • CASBEE建築(新築)・CASBEE不動産: S、A又はB+
    • 自治体版CASBEE: S、A又はB+
      • 工事完了日から3年以内のものに限る
      DBJ Green Building認証における3つ星、4つ星、又は5つ星
    • BELS評価(平成28年度基準)における3つ星、4つ星、又は5つ星
      • 物流施設においてBEI=0.75超を除く
      BELS評価(令和6年度基準)におけるレベル6、レベル5又はレベル4
    • LEED認証におけるSilver、GoldまたはPlatinum
  • 工事改修
    保有資産に係る、以下のいずれかをみたす改修工事
    • CO2、エネルギー、水等の使用量または排出量の削減等、環境面において有益な改善を目的としたもの
      (従来比30%以上の使用量または排出量の削減効果が見込まれるもの)
    • 上記適格クライテリアを満たす環境認証の取得、再取得、または1段階以上の改善
  • 省エネルギー
    • 設備空調機器の更新、照明器具のLED化および蓄電システムの導入に関する費用
      (従来比30%のエネルギー削減効果が見込まれるもの)
  • 再生可能エネルギー
    再エネ発電設備の取得または設置
    (なお、保有物件の敷地内または屋上に設置するものをいいます。)

住商リアルティマネジメント(株)運用中ファンド物件における主な環境関連認証の取得状況(2024年11月時点)

取得認証 物件名称 評価
CASBEE:11物件 SOSiLA横浜港北 不動産Aランク
SOSiLA相模原 不動産Aランク
SOSiLA春日部 不動産Aランク
SOSiLA川越 不動産Aランク
SOSiLA西淀川Ⅰ 不動産Aランク
SOSiLA西淀川Ⅱ 不動産Aランク
SOSiLA海老名 不動産Sランク
LiCS成田 不動産Aランク
SOSiLA板橋 建築(新築)Aランク
SOSiLA尼崎 不動産Sランク
SOSiLA八潮 不動産Sランク
LEED:1物件 Atlanta Financial Center SILVER
BELS:11物件 SOSiLA横浜港北 ☆☆☆☆☆
SOSiLA相模原 ☆☆☆☆☆
SOSiLA春日部 ☆☆☆☆☆
SOSiLA川越 ☆☆☆☆☆
SOSiLA西淀川Ⅰ ☆☆☆☆☆
SOSiLA海老名 ☆☆☆☆☆
SOSiLA西淀川Ⅱ ☆☆☆☆☆
LiCS成田 ☆☆☆☆
SOSiLA板橋 ☆☆☆☆☆
SOSiLA尼崎 ☆☆☆☆☆
SOSiLA八潮 ☆☆☆☆☆
株式会社ディ・エフ・エフ

サステナビリティ経営実現の伴走型支援を行う「GXコンシェルジュ」

企業のサステナビリティ実現のためにはGX(Green Transformation)戦略やアクションプランの策定から、GXソリューション導入、評価・見直しを継続して行うGXマネジメントサイクルの構築が必要となります。当社は、マテリアリティの一つである「気候変動問題を克服する」に取り組むべく、アビームコンサルティングと共同で「株式会社GXコンシェルジュ」を設立しました。これにより、GXコンサルティングサービス、GHG削減ソリューション、ならびにDXソリューションの提供を通じて、社会のGX推進に資する事業を展開しています。
具体的には、GHG排出量算定やTCFD提言に基づく情報開示支援、短期長期エネルギー価格予測、再エネ調達戦略策定などの幅広いコンサルティングサービスを提供しています。GXコンシェルジュのコンサルティングで特定した顧客の課題に対し、当社グループが有する様々なGXソリューションを提供することで、一気通貫で顧客のGX推進を支援します。
さらに、直近ではSSBJ基準での非財務情報開示、TNFD提言に基づく情報開示、サーキュラーエコノミー構築など、高度化する顧客のニーズに応じてサービスを拡大しています。

当社グループは幅広い業界のサプライチェーンに深く関与していることから、今後もGXコンシェルジュを通じて取引先企業や事業パートナーとともに、持続可能な社会の実現を目指していきます。

GXマネジメントサイクル
株式会社ディ・エフ・エフ

八重洲通フィルテラスZEB Ready認証取得

当社が共同事業者と開発を進めていた八重洲通フィルテラスが2025年1月に竣工いたしました。本物件は、当社が開発するオフィスビルとしては初めてZEB Ready認証を取得しました。ZEB Ready認証は、さまざまな省エネ施策を通じて、建物で発生する一次消費エネルギーを、基準エネルギー対比で50%以上削減できる、非住宅建築物に与えられるものです。本オフィスビルでは、外装にLow-Eガラスやライトシェルフを採用し、空調設備の高効率化、室内照度の変更や照明制御装置の追加等を採用することでBEI値0.48(基準比52%削減)を達成し、環境負荷の小さい省エネ建築への取り組みを実現化しました。八重洲通フィルテラスを含め、8棟のオフィスビル(現在開発中含む)でZEB認証を取得しており、今後開発される物件でもZEB認証を取得する予定です。

八丁堀一丁目オフィスビル写真
株式会社ディ・エフ・エフ

国内不動産事業におけるGHG排出量削減に向けた取り組み

当社が開発、または保有するオフィスビル、商業施設、集合住宅、物流施設について、脱炭素化に向けた取り組みを推進するため、GXコンシェルジュを活用し、GHG排出量を算定・可視化、2050年のカーボンニュートラル達成に向けたGHG削減シナリオを検討しています。
GHG削減に向けた具体的な取り組みとして、オフィスビルでは中古物件のリノベーションによるEmbodied Carbon(EC)の削減にも取り組んでおり、WORK VILLA MITOSHIRO / KYOBASHI / HIRAKAWACHOが竣工しております。その中でも、WORK VILLA MITOSHIROにおいては、ZEB Orientedを満たす水準の省エネ化によりOperational Carbon(OC)の削減を実現する等、環境配慮型事業に注力しています。
また物流施設(SOSiLAシリーズ)では、入居企業やSOSiLA物流リート投資法人の投資家に環境性能の高い物流施設を提供するため、環境認証の取得や、屋上への太陽光パネル設置等によるグリーン電力の確保を行っています。

物流施設の屋上に太陽光パネルを設置した写真
株式会社ディ・エフ・エフ

環境配慮型データセンターの運営

当社グループのIT事業の中核を担うSCSKグループは、事業を通じた社会課題解決により、社会とともに持続的な成長を図る「サステナビリティ経営」を推進しており、優先的に取り組む課題を7つのマテリアリティとして策定しています。データセンターは、加速する企業のデジタル化に対応するITインフラ基盤としての役割に加え、マテリアリティである「地球環境への貢献」の実現においても重要な事業と位置づけております。気候変動の対応として、CO2などの温室効果ガス排出量削減により、地球温暖化の進行を抑制する「緩和」策と、気候変動に伴う気象災害などに備える「適応」策の両面で取り組みを進めております。

環境負荷軽減への貢献 ‐グリーンITの推進

SCSKグループでは、データセンター事業において、省エネIT機器や、高効率の冷却用空調機器の採用、サーバ仮想化・クラウドサービス等の省電力に貢献するサービス提供を通じて温室効果ガス排出量削減を実施しております。

自然災害に対するレジリエントな社会づくりへの貢献

SCSKデータセンターは、自然災害に強い堅牢なファシリティとして認定されており、データセンターを利用いただくお客様の事業継続性を担保し、レジリエンス強化に貢献しております。災害発生時には、データセンターの一部をお客様のディザスターリカバリールームとしてご利用いただけるよう備えており、様々な面からお客様の事業継続のサポートを実施しております。

今後、さらなる省電力化や自然エネルギーの活用を推進することで、温室効果ガス排出量削減に向けて意欲的に取り組むとともに、環境に配慮した事業活動の実践や、環境に貢献する事業機会の創出を通じて、脱炭素社会の実現、持続可能な社会の発展に貢献していきます。

株式会社ディ・エフ・エフ

西鉄グループとのレトロフィットEVバス事業

当社は、西日本鉄道(以下、西鉄)と既存ディーゼルバスを電動化改造するレトロフィットEVバス事業を展開しています。バス業界でもCO2排出削減は重要課題の一つであり、近年EVバスの重要性が高まっていますが、車両価格が高額なため、現時点で導入状況はまだ限定的です。当社は、この課題解決を目指し、当社出資先のRAC Electric Vehicle社(台湾)のEVバス量産技術を活用し、EVキットを同社から調達し、西鉄グループ傘下の西鉄車体技術(株)にて改造作業を行うことで、低価格のEVバス製造を実現しました。

本事業は、地域社会・経済の発展、循環経済、気候変動緩和等に資する取り組みであり、当社として、この国産レトロフィットEVバスを西鉄および国内バス事業者向けに導入拡大していくことで、日本のバス業界の脱炭素化に貢献していきます。

レトロフィットEVバス写真
国内で組み立てたレトロフィットEVバス(2023年6月から福岡市で営業運行開始)
株式会社ディ・エフ・エフ

鉱山建機の電動化・自動化を通じて鉱山現場の脱炭素化に貢献

当社は、現在30か国以上で展開しているコマツ製鉱山・建設機械を中心とした販売代理店事業を通じ、鉱山会社各社の脱炭素化に向けた取り組みに貢献しています。具体的には、カナダやフィンランドにおいて、トローリーアシストシステムを活用した一部工程の電動化や、無人ダンプトラック運行システム(Autonomous Haulage System/AHS)導入によるオペレーションの効率化を通じ、従来よりCO2排出量を抑制した鉱山オペレーションを実現する製品を供給しています。また、2024年度よりグローバルエンジニアリング企業のABBと鉱山機械の脱炭素化に向けた協業の検討を開始、同年11月には、同社とMOUを締結し、鉱山現場の脱炭素に貢献する技術を搭載した鉱山建機導入や実装支援まで、顧客に対しワンストップでのソリューション提供を目的とした取り組みを進めています。鉱山現場は地域や現場毎に特性が異なるため、脱炭素化に向けた取組みにあたってはその特性に応じた最適なソリューションを提供することが求められます。当社は、代理店事業を通じて培った顧客との強固な関係性をてこに、今後も顧客や現場のニーズに合った新たな製品・サービスを提供することで、鉱山現場の脱炭素化に向けた取り組みに貢献していきます。