「従業員の安全」についてご紹介している住友商事のサステナビリティページです。
住友商事グループは、従業員に対して安全で衛生的で健康的な労働環境を整備しており、また、心身の健康管理は、ワークライフマネジメントの基本と考え「メリハリのある働き方」の推進を通じて、健康を維持・増進しながら高い成果を出す働き方を目指しています。
住友商事は「健全な事業活動を通じて豊かさと夢を実現する」ことを経営理念の一つに掲げており、社員をはじめ、株主、取引先、地域社会の人々など世界中の人々の経済的・精神的な豊かさと夢を実現することが企業使命であると考えています。この実現のためにも、従業員の健康の維持・増進は最も重要な要素の一つであり、今後も住友商事は健康経営の実践に向けてさまざまな取り組みを推進していきます。
なお、このような取り組みが評価され、当社は優良な健康経営を実践している法人として、経済産業省より2017年から8年連続で「健康経営優良法人~ホワイト500~」の認定を受けております。
労災の発生防止のため、「安全に対する共通の価値観の創生」、「安全マネジメントシステムの確立」、「重点取り組み先の労働安全向上」を目指して取り組んでおり、2023年度の主な実績は以下の通りです。今後も教育啓発など各種取り組みの強化を通じて、労災の発生防止に努めます。
国内および海外で続発する様々な事件、事故、災害等に備えるには、社員一人ひとりが日頃から危機意識と適切な安全確保策を認識するとともに、各組織での安全対策インフラを整備しておく必要があります。また、緊急事態が発生した場合には、支援体制構築と早期の業務復旧を行うことが重要であり、そのためには迅速な事態の把握が必要です。
当社では、国内外を問わず全ての緊急事態における全社報告窓口を災害・安全対策推進部に一元化し、人材・総務・法務グループ長を緊急対策本部長とすることで社長への迅速な報告を行うと同時に、必要な支援活動を早急に全社一丸となって実施出来る体制をとっています。
また、大規模自然災害が発生した際は、1.社員の安全確保、2.共助、3.事業の早期復旧を基本方針とし、マニュアル化して全役職員に周知しています。
直近では、2021年度より各組織の持つ事業継続計画(BCP)の実効性を高めるため、計画策定に留まらず、各種訓練の実施、レビュー、改善というPDCA化に取り組んでいます。さらに、2022年1月にグループ会社の労働安全体制強化と、労働災害が実際に発生した場合の初動対応及び再発防止を支援する専門チームを災害・安全対策推進部内に設け、安全管理の情報集約、ノウハウ蓄積及びベストプラクティスの当社グループ全体への共有を図っています。
現在、世界ではHIV(エイズ)、結核、マラリアなどといった深刻な健康問題に悩まされている国も多く存在します。当社グループは、こうしたグローバルな健康問題に積極的に対応していくこととしています。
当社では自社グループ役職員がこのような感染症に関する正しい知識を身に付け、予防できるように、海外赴任する役職員に対しては、事前に健康診断を実施し、必要に応じて感染症の予防接種を推奨しています。また、派遣前には各種研修も実施しております。さらに、初めて海外出張に行く社員や、感染症に関する最新情報を求める社員の要求に応えるべく、2017年度よりe-Learningや安全対策セミナーを開催し、危機管理意識の醸成と正しい最新知識の浸透を図っています。対象者は当社内にとどまらず、国内外のグループ全体の役職員が参加しています。
これらの活動を通して、社員の健康で安全な海外生活をサポートしています。
労働災害が発生した場合は、速やかに災害・安全対策推進部に報告される体制を取っております。当社単体における過去5年間の社員の労働災害件数は以下の通りです。
労働災害件数
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|---|---|
3件 | 2件 | 2件 | 2件 | 5件 |
単体のみならず関連会社での労働災害の防止のため、各営業グループのグループCFOオフィス/内部統制担当メンバーによる労働安全情報連絡会を隔月に開催し、グループ内労働災害の発生状況と、再発防止策となるベストプラクティスの共有を行っています。
グループ内で発生した死亡や生命の危機を脅かすような事態による重大労働災害に関して、災害・安全対策推進部から社長以下の関係者への即時報告を実施して、必要に応じて原因分析と再発防止策立案も共有しております。
当社では、社員一人ひとりに危機意識を醸成し、必要な知識を身に付けてもらうため、各種訓練・セミナーを実施しています。
自然災害等への対策として、東京本社においては発災時に緊急対策本部を設置する体制を整え、首都直下地震を想定した訓練や各フロアにおける初動対応訓練を毎年実施しています。また、国内外各拠点においても、発災時訓練を実施するとともに、グループ全体として、地震だけでなく、風水害や新興感染症等、複数災害に対応可能なマルチハザードBCPの整備に取り組んでいます。
海外における当社グループ社員の安全対策については、拠点ごとに安全対策マニュアルの整備、渡航先での安全行動を啓発するとともに、渡航者の経験レベルに合わせて初級から上級までの各種e-learningや実地訓練プログラムを提供しています。さらに、有事の際に各拠点と協力して、迅速かつ有効な救援・支援活動を行える体制を構築しています。
また、世界中で発生する危険情報(紛争、テロ、暴動、大事故、天災、その他)を海外拠点とも連携して即時に収集し関係者で共有する仕組みを整えています。
「命を守る」をスローガンに、フマキラーはデング熱やマラリア等の感染症から身を守ることが生活課題となっているインドネシアにて30年超にわたって、地域の隅々まで品質の高い同社製蚊取り線香を地道に普及し続けた結果、現在では同国市場シェアトップとなり、現地の社会課題解決に貢献しています。その製品性能のみならずマーケティング、販売手法(BOPと呼ばれる新興国大衆ユーザーへ直接商品を届けるモデル)も社会貢献の観点から意義深いと考えています。2021年度は最新の設備を備えた研究所も完工、効能と安全性を追求した新製品開発体制も整備しました。当社は1991年の設立時から出資継続(現有持分20%)、現地駐在員も派遣し同社のオペレーションをサポートしています。
鉄鋼グループでは、さまざまな産業においてグローバルにビジネスを展開しています。それぞれのビジネスにおいて何よりも「安全」を優先し、従業員や関係する方々の命と安全を守るため、安全管理活動を継続して取り組んでいます。
代表的な事例として、鋼板関連ビジネスのコイルセンター事業群(鋼板加工、販売拠点網)におけるグローバルなゼロ災害に向けた取り組みと、鋼管関連ビジネス(サプライチェーンマネジメント・問屋事業・加工事業)において、治安や衛生も含めた事故の撲滅とその先を目指すグローバルなHSSE管理の取り組みがあります。
コイルセンター事業群は、自動車、電機、エレクトロニクス、建材等のさまざまな業界にサービスを提供しており、日本を含めた10カ国以上で事業を展開しています。扱う商品によって危険度が異なったり、労働事情が異なったりすることから、共通の安全基準を設けて活動するほか、所在国や事業会社固有の状況を踏まえたオーダーメイドの安全への取り組みの支援も行っています。
その活動の中心となっているのが、住友商事グローバルメタルズ㈱安全TQMチームです。同チームはTQM(Total Quality Management)をコイルセンター各社に導入・推進させ、会社の安全目標と個人目標を連関させるなど、安全意識の向上・安全活動の実効性の向上を図っています。また、安全監査も実施しています。150項目以上の安全チェックリストを制定し、事業会社による自己診断結果を同チームが現場を訪問して確認、対応が十分でない項目のフォローアップ等を実施しています。
更に2024年度に入り、住友商事グローバルメタルズ㈱は安全方針を明文化して公表し、社員全員に自分事として安全意識を高めることを図っています。「全ての活動の根幹であるかけがえのない従業員、および全てのビジネスパートナーが、毎日安全で健康に仕事を終えて帰宅することを目指す」と掲げています。
一方の鋼管ビジネスでは、石油・ガス会社向けを中心として鋼管販売を行っており、サプライチェーン拠点・問屋事業・加工事業をグローバルに展開していますが、”Beyond Zero Harm(事故ゼロを超えて)”のスローガンを掲げ、事故ゼロの状態を常態化し、HSSEを組織文化として浸透・定着させようとしています。これを実践していくに当たりHSSEの専門家を主要海外拠点に配して労災・事故等のデータを蓄積・分析し、起用する輸送・加工業者も含めた監査を実施しています。また、鋼管をハンドリングする際の安全上のエッセンスを纏めて“TRIP RULES(Tubular Rules for Incident Prevention)”を策定し、小冊子にして全世界に配布しています。加えて、迅速にグローバルに情報共有するITシステムやe-learning教育プログラムも整備する等、安全・安心に働ける環境構築の努力を重ねて参ります。
今後も鋼板(コイルセンター事業群)・鋼管両事業のほか、厚板・特殊鋼・鉄道機材・自動車部品に加え、鉄鋼GXの取り組みも含めた鉄鋼グループ全体で「ゼロ災害」を目指し、よりよい労働環境の構築という社会的使命を果たして参ります。
Global Construction & Mining Systems Group (G-CMSG) では、重大事故撲滅を目指して、グローバル人財をフルに活用したHSE Promotion Officeを2018年に設立、Health, Safety & Environment(HSE)向上活動を実施しています。
Vision、Standardsの策定に続き、毎月Safety Newsを発行、事故事例共有のSafety Alertの発信を行うとともに、グループ事業会社の安全点検(Gap Analysis)を実施済み、2022年度からはより詳細にわたるSafety Auditを開始し、2023年度末までに7社実施しました(2024年度は4社実施予定)。安全教育については、新しく建機ソリューションSBU所属になったメンバー及び海外派遣者全員に安全トレーニングを実施しています。
また、グループ内のコミュニケーションの活発化のために2021年3月にPortalを開設、年間優秀事業会社を表彰するSafety Awardを2022年に事故ゼロを達成した3社に対し2023年9月実施のGlobal Meetingの場で授与しモチベーション向上を図っています。
当社グループの、ウラン鉱山開発、ウラン精鉱の生産・販売事業(※1)ならびに放射性物質を含む各種原子燃料の取引は、IAEA(国際原子力機関)で定める基準に準拠した各国法規制に則り、実施しています。また、HSSE(Health, Safety, Security and Environment)を最優先事項として、作業にあたる従業員及び地域住民の安全を確保することを大前提とします。具体的には、ウラン精鉱の生産・販売事業においてはプラント入出者全員に対する放射線量チェック、従業員の累計放射線量の管理、モニタリングの徹底等の対策を行います(※2)。なお、取り扱うウラン精鉱や各種原子燃料は全て民生の発電用途等平和利用目的として使用され、安全保障貿易管理に関連する法規制を遵守しており、安全・品質確保のマネジメント体制を整備しているほか、より高い基準を満たすためにマネジメント体制の見直し、改善も随時行っています。
OHSAS18001については、2020年12月時点で、当社連結子会社372社のうち1.1%にあたる4社で取得していました。
なお、2018年3月に発行され、移行が推奨されているISO45001については、2024年9月現在、以下の5社で取得していることを確認しています。